カブスが鈴木誠也と5年8500万ドルで合意 「5番・右翼」で起用か

メジャーリーグ公式サイトが得た情報によると、カブスは広島東洋カープからポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指していた鈴木誠也と5年8500万ドルの大型契約を結ぶことで合意したようだ。ポスティング制度のルールに従い、広島にはカブスから1462万5000ドルの譲渡金が支払われる。カブスにはレギュラー候補の外野手が多数いるものの、「ロースター・リソース」は「5番・右翼」での起用を予想。昨夏の主力大量放出から短期間での再浮上を目指すカブスの主力として期待は大きい。

短縮シーズンの2020年にナ・リーグ中部地区を制したカブスだが、ダルビッシュ有から始まり、クリス・ブライアント、アンソニー・リゾ、ハビアー・バイエズ、クレイグ・キンブレルと主力選手を次々に放出。その結果、昨季は地区4位に沈んだが、ジェッド・ホイヤー編成本部長は大規模なチーム再建を行うつもりはなく、短期間でチームを建て直したうえで、2022年シーズンに優勝争いができるチーム作りを目指す方針を明言していた。

今オフのカブスはすでにマーカス・ストローマン、アンドレルトン・シモンズ、クリント・フレイジャー、ヤン・ゴームス、ウェイド・マイリー、クリス・マーティンらを獲得。そこに鈴木も加わることになった。広島の4番打者として活躍してきた鈴木だが、まだ27歳と若く、カブスは2022年シーズンのみならず、今後数年間のフロントオフィスの計画に鈴木がフィットすると考えているようだ。

カブスの外野陣のうち、昨季25本塁打を放ったスイッチヒッターのイアン・ハップはレギュラー当確で、昨季ブレイクしたラファエル・オルテガもレギュラー級の出場機会を得ることが予想される。8年1億8400万ドルの大型契約を結び、ゴールドグラブ賞5度の実績を誇るジェイソン・ヘイワードもいるが、昨季は自己ワーストのOPS.627に終わるなど、カブス移籍後は打撃面で精彩を欠くシーズンが続いている。よって、鈴木はヘイワードに代わって右翼のレギュラーとなる可能性が高く、「ロースター・リソース」はカブスの予想ラインナップの「5番・右翼」に鈴木を置いている。

メジャーのスカウトのなかには、鈴木をAJ・ポロックと比較する声があるという。ポロックは昨季ドジャースで打率.297、21本塁打、69打点、OPS.892を記録。年平均1700万ドルという好条件の契約を考えれば、鈴木にもこれに近いレベルの成績が求められることになりそうだ。

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