ドライバーの休憩施設を設置 大村・幸運トラック 運搬可能、災害時は仮設住宅にも

移設して仮設住宅としても利用可能なトレーラーハウス型の仮眠休憩施設=大村市、幸運トラック

 運送業の幸運トラックが同社の働き方改革の一環で、長崎県大村市富の原2丁目の本社敷地内に、トレーラーハウス型の仮眠休憩施設を設置した。ドライバーの休憩施設としてはもちろん、トレーラーで運搬することも可能で、災害発生時には被災地の仮設住宅などとしても活用できる。

木材が使われた個室の内部

 施設は移動可能な家「スマートモデューロ」を手掛けるLTU(大村市)が施工。長さ約12メートル、幅約2.5メートルで、約4平方メートルの個室5部屋を備える。各部屋にはベッドや机が備え付けられており、共用部分にはトイレやシャワー室、洗面台、台所も完備している。
 内装には県産のスギやヒノキなどを使用し、木の香りやぬくもりも感じられる。LTUの原田岳社長によると、木造設計とすることで森林の適切な管理や二酸化炭素(CO2)の固着化につながり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも貢献できる。
 幸運トラックでは不足していた長距離ドライバー用の仮眠室として、今月から運用を開始。使用したドライバーからは「中は意外と静かでよく眠れた」などと好評で、全国の営業所での設置も検討するという。今後は県内外の自治体などと協定を結び、災害時には同社の輸送能力を生かして被災地に運搬。仮設住宅やボランティアの待機場所などとして活用してもらう。
 幸運ホールディングスの藤野芳弘専務は「運送業では二酸化炭素を削減するにも限界があるため、それ以外の部分でSDGsに貢献できるよう努めている。幸運トラックでは『働きたい』と思ってもらえるような職場環境を整備する“働きたか”改革にも力を入れており、今後もSDGsを意識しながら取り組みを進めていく」と述べた。


© 株式会社長崎新聞社