明治初期の西洋料理復刻 グラバー園内「旧自由亭」 4月1日から提供 ビーフシチュー、カレー、タルト

復刻、アレンジされた新メニューの3品

 長崎市南山手町のグラバー園内「旧自由亭」前で16日、明治初期の西洋料理を復刻しアレンジした新メニューが披露され、田上富久長崎市長ら12人が3品を試食した。
 自由亭は日本人初の西洋料理人、草野丈吉が市内に開いたレストランで、1974年に建物の一部を園内に移設。現在は喫茶室として使われている。当時の情景を体感してもらえる場所にしようと、現在も提供しているビーフシチューをリニューアル。当時の自由亭のメニューにもあったカレーと、グラバーの故郷スコットランドの伝統菓子クランベリー・タルトパイを新たに加え、4月1日から提供する。

一新されたビーフシチューを味わう田上長崎市長(左)ら=長崎市、グラバー園

 試食会でブライアン・バークガフニ名誉園長は「クランベリーパイはおめでたい時に不可欠。この地で再現されるのは大変意義深い」とあいさつ。全日本司厨士協会が「西洋料理発祥の歴史を広く伝える」メニューとして3品を認定し、西日本地方本部の坂本洋司理事長が園に証書を授与した。
 田上市長はシチューを味わい、「大きいお肉が入っていて濃厚」と太鼓判を押し「ここで過ごす時間の豊かさも伝えられる場所になれば」と話した。

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