「被爆者は支援し続ける」 長崎県被爆者手帳友の会、朝長会長 ウクライナの市長とオンライン会談

ウクライナ・スラブチチの市長とオンラインで会談した朝長会長(右)と大瀧さん=長崎市松山町、ヒバクシャ・コミュニティ・センター

 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、長崎県被爆者手帳友の会の朝長万左男会長(78)は2日、ウクライナのチェルノブイリ原発近くにあるスラブチチ市のユーリー・フォミチェフ市長とオンラインで会談。市長から現地の情勢を伝えられた朝長会長は「長崎市民そして被爆者全員が、ウクライナを支援し続けたい」と強調した。
 2018年4月、同会の故井原東洋一前会長がチェルノブイリ原発事故の慰霊行事に招待されるなど、かねてスラブチチ市と交流があったことから実現した。当時外務省の非核特使として同行した大瀧知子さん(61)も同席した。
 市長によると、チェルノブイリ原発の作業員が人質となり、7日間帰ってきていないとの情報がある。市内は爆撃で道路や橋が寸断され、ロシア軍に包囲されているため「逃げることができない状況」。食料や薬が少なくなり始め、住民同士が分け合って生活しているという。「プーチンが何を考えているか分からず、核兵器を使う可能性もゼロとはいえない」と危機感を示した。
 市長が「ロシアは世界を挑発し続ける。ウクライナは世界の民主主義と自由を守るために戦っている」と訴えると、朝長会長は「理不尽な戦闘を仕掛けられた国民はつらい。ロシアの横暴に抵抗し、世界のために戦っていると聞き感動した」と語った。大瀧さんは「ウクライナの人たちは愛国心が強く、真面目。侵攻が早く終わってほしい」と願った。


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