製造業の省力化 ニーズ追い風 時津の杉原エンジニアリングが社屋新築 県補助金を活用 

県成長産業ネクストステージ投資促進補助金を活用し、新社屋で事業拡大を目指す杉原エンジニアリング=西彼時津町

 生産用機械の設計・製作を手掛ける杉原エンジニアリング(長崎県西彼時津町、杉原啓治社長)は今月上旬、同町日並郷に新社屋を移転新築し、供用開始した。人口減少や新型コロナウイルス禍における製造業現場の省人化、省力化のニーズの高まりを背景に、本県を代表するロボットシステムインテグレーター(ロボットシステムを構築する機械設備メーカー)として事業拡大を続けている。
 1984年設立。肥料配合プラントや食品、医薬などの製造装置をはじめ、生産ラインの省力化に寄与するロボットシステムの設計、製造分野にも2017年から進出。従業員数は約50人。21年12月期の売上高は12億円。
 人手不足を背景に製造業現場からの需要が多く、採用も順調に推移している一方で、同町久留里郷の旧社屋が手狭になり、需要に対応できない状況があった。
 20年春以降、コロナ禍で海外との取引が頓挫し、売上高も横ばいで推移。そこで、コロナ感染拡大で影響を受けた製造業を支援する県成長産業ネクストステージ投資促進補助金(県内調達拡大タイプ)を活用し、新社屋の建設を決断。設備投資総額の4分の1~5分の1を補助金で対応した。
 新社屋は、敷地面積約3千平方メートルに、事務所棟と展示場(延べ床面積計2100平方メートル)があり、展示場で機械の組み立てや試運転、顧客との仕様確認などを行っている。
 杉原皓介副社長は「需要増加に対応するため、エンジニアを増やし、国内のサプライチェーン(供給網)の強化に貢献したい」とし、今後5年以内に売上高20億円を目指す。


© 株式会社長崎新聞社