新幹線大村車両基地が完成 記念式典や見学会も 長崎県民が親しみと愛着持つ施設に

テープカットで大村車両基地の完成を祝った式典=大村市竹松町

 9月23日に開業する西九州新幹線(武雄温泉-長崎)で、車両の検査や修繕などメンテナンス全般を担う大村車両基地の完成記念式典が19日、長崎県大村市竹松町の現地であった。
 車両基地は全長約1キロ、総面積約11万平方メートル。走行距離や期間に応じた検査や臨時検査、修繕などを担う。敷地内には車体と台車を着脱する「台振庫」、車両の検査を行う「仕交検庫」などの設備があり、建物の外観は新幹線「かもめ」と同じ赤と白のツートンカラーが用いられている。近くには在来線の大村車両基地駅も新設される。
 式典には本県選出の国会議員や大石賢吾知事、周辺自治体の首長ら約30人が出席。鉄道建設・運輸施設整備支援機構の河内隆理事長は「西九州新幹線の要の施設として役割を果たし、地域の発展に寄与することを期待する」、JR九州の青柳俊彦社長は「西九州新幹線への関心は全国的にも高いと感じており、西九州の元気につなげていくためにも開業に向けしっかり準備を進めていく」と述べた。
 大石知事は「車両基地で今後、見学会やイベントなどを実施することで、地元の人や県民が親しみと愛着を持つ施設になれば」とあいさつ。テープカットで完成を祝った。

検査用の線路に止められたかもめの前で記念撮影する市民

 大村市民向けの見学会もあり、事前抽選で選ばれた600人や周辺住民が参加。基地内の施設をはじめ、検査用の線路に止められたかもめの前で記念撮影したり、自由席と指定席でシートが異なる車両内部を見学したりした。大村市立竹松小3年の原悠惺君(9)は「かもめがかっこ良くて、重さや長さ、何両編成なのか質問してきた。実際に乗るのが楽しみ」と話した。


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