22日、日本代表に合流した遠藤航(シュトゥットガルト)がオンラインでの会見に臨んだ。
オーストラリア戦は勝利すればW杯出場が決まる大一番。“日本代表の頭脳”といえる遠藤はこの試合でどう戦ったらいいと考えているのだろうか?
――日本代表の前回予選からの変化、自分のあり方の変化は?
前回のワールドカップ予選は正直力になったというよりは“一員”としてやっていたイメージがあります。
2018年のロシア(大会)はプレーできずベンチから試合を見ていました。いろんな悔しさがある中で、今はずっと試合に出ていて自分も中心としてやらなきゃいけないっていう覚悟をもってずっとプレーさせてもらってますし、そこは一番大きく変わった部分かなと。
当たり前ですけどそんなに簡単な最終予選ではなかったです。ただ次の試合に勝てば決まる。アウェイですけどしっかり勝点3を取りに行くような姿勢を見せたいなという思いでいます。
――日本代表がワールドカップを決めた試合で印象的なのは?
前回のイメージで鮮明に覚えています。ワールドカップを決めた時に僕はメンバーに入らなかったのでスタジアムの上から見ていたんですけど、その時の盛り上がりはすごく覚えてます。
そういった状況で自分もピッチに立ちたいなとその時に思ったので、今それを掴むチャンスがあるというのは個人的には非常に楽しみですし、しっかり勝ちたいなという想いはもちろん強いです。
――前回オーストラリア戦で4-3-3に変更して勝利したが今は日本の戦い方が研究されている。相手にどう対応する?
もちろん相手の出方は見なきゃいけないと思うし、前回とシステムが同じなのか変えてくるのかみたいなところは最初気にするべき部分なのかなと思います。
あとは試合の状況の中で、システムはあるけども一人一人がちょっとボール受けるところの立ち位置を変えられるかとか、そこら辺は選手個人の判断だと。
もちろん相手のやり方を見ながら自分たちが変えられれば理想ではありますけど、まず自分たちのやるべきことっていうのを前面に出していくっていうところが大事なのかなと思います。
――引き分けOKだが選手は「勝ちにいく」という。それが逆に緩みに繋がる部分はない?
うーん。勝ちにいく姿勢を見せるということに対しては全然悪いと思っていません。それが緩みになるということは思ってないというか、逆に引き分けOKと考えてやってたほうが多分自分たちにとってはあまり良くないのかなと。
もちろん引き分けでも悪くないという考え方はみんな分かってますが、そこはDFとか僕みたいな守備的なMFの選手たちが意識すればいいと思います。
僕がアンカーで出るとしたら、そこまでリスクを負ってまで前線に出て行くようなプレーをする必要があるのか。そこら辺はもうピッチでの判断になると思うので。
基本的には点を取りにいく姿勢だったり、勝ちにいく姿勢というのを見せたほうが結果的に引き分けられる可能性も高いと思います。ただそこは結果がどうなるかにもよるというか(笑)。
とにかく勝ちにいく姿勢をみんなで統一して、そうやって思ってるということ自体が良いことなんじゃないかなって思いますね。
——そういう時に主導権を握られないためにどうしたらいい?
もちろん勝ちにいくといっても別にやみくもにずっと攻撃的にやるわけではありません。相手が勝ちにくることを分かっている前提として、主導権は別に自分たちが90分間握ってなきゃいけないとは思っていないので。
パワーの使いところだったりとか、相手がどういう形でやってくるのか、どこにどうプレッシャーをかけてくるのか、どのタイミングでパワーを使ってきているのかという感覚みたいなところはピッチ内で感じることが大事だと思います。
そこは経験ある選手も多いと思うので、そんなに心配はしてないです。
――セットプレー対策として1月からの菅原大介コーチが入った。変化は?
選手たちが特に直接コミュニケーションをとっているという感じではないです。
スタッフの中で多分そういう分析をしてもらって、練習に落とし込む量だったりとか、攻撃で言えば戦術のオプションだったりとかその辺は増えてきてるのかなと思います。
次のオーストラリアのように高さがある程度上回る相手に対し、守備に関してじゃあどう守っていくかというところは大事だと思います。
逆に攻撃に関してもどういう工夫をすれば相手のスキルを突けるのか、高さのある相手に対してセットプレーでも違いを自分たちが作れるのかみたいなところはあるのかなと思いますね。
――前回フルスティッチにFKで決められた。セットプレーでの守備のポイントは?
もちろんできるだけファールはしたくはないというところもあります。
そこはすごく難しいというか、厳しくいくところはいかなきゃいけない。プラス無駄なファールはしないというのはチームして意識はしなきゃいけないのかなと思いますけどね、守備の面ではね。
——勝利が必要なオーストラリアは終盤ロングボールを使うかもしれない。下がり過ぎないためには?
確かにあまり下がりたくないですね。そこはどっちかというとやっぱりDFの選手たちがしっかり跳ね返したのに対してのセカンドを拾えるかとか、そこら辺は大事なのかなと思います。
ファーストのところで自分が競りに行くべきなのか、後ろの選手が競ってそれでOKなのかみたいなところの判断のほうが大事かなと思います。