国家権力による歴史的冤罪事件「ドレフュス事件」映画化 「オフィサー・アンド・スパイ」公開決定

第76回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞受賞をした、ロマン・ポランスキー監督最新作「オフィサー・アンド・スパイ」が、6月3日より劇場公開されることが決まった。

「オフィサー・アンド・スパイ」は、歴史的冤罪(えんざい)事件として知られる「ドレフュス事件」を映画化した作品。反ユダヤ感情が高まる19世紀末のフランス。ユダヤ人大尉のドレフュスは、ドイツに機密を漏えいしたスパイ容疑で終身刑となる。ドレフュスの無実を示す証拠を発見した対敵情報活動を率いるピカール中佐は、スキャンダルを恐れて証拠の捏造(ねつぞう)や文書の改ざんなどあらゆる手で隠蔽をもくろむ国家権力に抗いながら、真実と正義を追い求める姿を描く。

「アーティスト」のオスカー俳優ジャン・デュジャルダン、「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」のルイ・ガレルらが出演。第76回ベネチア国際映画祭では、銀獅子賞(審査員大賞)を受賞したほか、フランスの第45回セザール賞では3部門 (監督、脚色、衣装) を受賞した。日本での公開にあたり、フランス現代史を専門とし、反ユダヤ主義関連の研究でも知られる、思想家の内田樹氏が字幕監修を務めている。

公開された特報では、スパイの罪をきせられたドレフュスと、逆境に立たされながらも真実と正義のために自らの信念を貫く男ピカールの姿が映し出されている。あわせて公開されたビジュアルでは、威圧的に居並ぶ軍人たちの前で、ドレフュスとピカールが向き合う姿が切り取られている。2人の間には、ドレフュスの無実を訴えた世界的な作家エミール・ゾラが、時の大統領に宛てた歴史的な公開告発状の言葉で、フランスでの本作のタイトルである「私は告発する」のコピーが描かれている。

【作品情報】オフィサー・アンド・スパイ
2022年6月3日(金)TOHOシネマズ シャンテ他 全国公開
配給:ロングライド
作品クレジット
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