「対面が本当に必要か」 神奈川県議会、デジタル化で有識者が提起

オンライン会議の導入に向け、有識者を招いて行われた県議会の会合=県庁

 神奈川県議会の議会改革検討会議は23日、導入を目指すオンライン会議の意義や課題について有識者の意見を聞いた。情報セキュリティーが専門の湯浅墾道・明大公共政策大学院教授が「議会のデジタル化」をテーマに講演。同検討会議メンバーら県議約40人が聴講した。

 湯浅氏は「危機に柔軟に対応できる議会の在り方を整備することが大事」とし、「対面、口頭、集まって決めることが本当に必要なのかを問い直すことが第一歩」と問題提起した。

 一方で、セキュリティー確保や傍聴の在り方、デジタル化に取り残される人へのフォローなどを課題に挙げた。同検討会議の国松誠座長は神奈川新聞社の取材に「議決を伴わない会議から導入するのが現実的。試行を重ね、オンライン会議を可能にする条例改正や設備環境を含め、課題をクリアしながら実現を目指したい」と話した。

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