【DeNA24年ぶりVへ】東克樹 苦難乗り越え、念願の開幕投手「役割果たしたい」

横浜DeNAの東克樹

 5年目で念願だった開幕投手の座を射止めた。横浜DeNAの東克樹は「チームを勢いづけられるようにしっかり役割を果たしたい」と重責をかみしめる。

 ジェットコースターのようなプロ人生を歩んできた。ルーキーイヤーの2018年は11勝。巨人キラーと騒がれ、新人王も獲得した。球界を代表する巨人のエース菅野と互角に投げ合った一戦は、ファンの間でも語り草となっている。

 だが、4勝に終わった翌年以降は左肘の故障に苦しめられた。20年2月には肘の内側側副靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)に踏み切った。

 1年以上に及んだリハビリ生活。野球を始めてからこれほど長くボールを握らない期間はなかった。不安は尽きない。それでもチームメートやスタッフら周囲への感謝を忘れず前を向き続けた。

 家族の支えも大きかった。リハビリ中に結婚し、自宅に帰れば自分の顔にそっくりのまな娘が待っている。「人間は守るべきものがある方が強い」。苦難を乗り越えたパパは精神的にも成長した。

 大舞台に強いが、緊張しやすい性格でもある。開幕投手が発表された10日、自身のツイッターで「頑張るのは当たり前。当日はパワーをください」とファンに求めた。技術、体力は整った。あとは本拠地・ハマスタの大応援を受け、快投を演じるだけだ。

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