延岡メンマ 給食で提供 放置竹林軽減へ販売

給食で延岡メンマが使われたラーメンを食べる川島小の児童

 放置竹林の軽減を目指して延岡市の「LOCAL BAMBOO」社(江原太郎社長)が販売する「延岡メンマ」が、同市内の学校給食で初めて提供された。同社が販売する水煮のメンマ8キロが食材として使われ、子どもたちは地域の課題を「おいしく」解決する方法を学んだ。
 江原社長は貸農園を運営する東京都内の会社で働いた後、2019年に帰郷。祖父の山で竹林が繁殖し過ぎていることを知り、20年からメンマへの加工、販売を始めた。昨年5月にJA延岡と提携し、規格外となった竹を買い取っている。今回は、持続可能な開発目標(SDGs)や地産地消の学習と給食を結び付けようと、川島小(長岡俊勝校長、127人)が江原社長に呼び掛けた。
 同校ではラーメンの具として提供され、メンマの食感や味を感じられるよう、肉や調味料と一緒に炒めてしっかり味付けをした。同校で給食を共同調理している港小、東海中でも提供された。
 江原社長は川島小を訪れ、給食の時間に校内放送で特別授業を行い、児童はラーメンを味わいながら、説明に耳を傾けた。6年生の松本彪瑠(たける)君(12)は「メンマが竹から作られると知り驚いた。食べることで環境が良くなると学んだ」と話していた。
 川島小の土井美佳栄養教諭(31)は「子どもたちが食と環境の関係を意識するきっかけになった。ほかのレシピも考えたい」。江原社長は「おいしく食べてもらえてうれしい。放置竹林の課題をさらに多くの人に知ってもらえるよう消費拡大に取り組んでいく」と話した。

© 株式会社宮崎日日新聞社