新ご当地メニュー

 長崎県内四つの地区の調理師らがそれぞれアイデアを絞ったご当地自慢の料理が完成し、20日から地元の飲食店や宿泊施設で提供が始まった。古里の食材にこだわり、「現地でしか食べることのできない味」を追求した▲県観光連盟が一昨年末、コロナ禍で冷え込んだ観光客の回復を狙って関係団体に参加を呼び掛けると、平戸、西海、新上五島、佐世保市宇久の4地区が手を挙げた▲新上五島は若松瀬戸で育った養殖クロマグロの「刺身皿」。冷凍処理をしていない高級マグロは庶民の口にはなかなか入らないが、島では最高鮮度の刺し身が手ごろな価格で味わえる▲西海市で養殖されているシマアジも高級魚で知られ、新鮮な刺し身はもちろん、数日間寝かせた熟成の刺し身も絶品。「旨造り膳」でフライや焼き物とともに試してみたい▲宇久特産の一本釣りのレンコダイは鮮度保持が難しく、その多くは加工されるが、島に行けば「鯛めし」と銘打った貴重なたたき丼などがいただける。かつての南蛮貿易で香辛料などが入ってきた平戸はイノシシ肉のカレーで勝負。各種文献に登場するゆかりの食材をレシピに取り入れた▲新型コロナは予断を許さないが、県内旅行割引キャンペーンも県民限定で再開し、人が徐々に動き始めた。まずは安近短の旅で、長崎の新たな食の魅力を堪能したい。(真)


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