ドルゴヴィッチがランキング首位浮上。岩佐歩夢は3度目の入賞果たす【FIA F2第2戦ジェッダ レース2】

 3月27日、2022年FIA F2の第2戦ジェッダの決勝レース2が、サウジアラビアのジェッダ・ストリート・サーキットで開催され、フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)がポール・トゥ・ウインで今季初優勝。ポイントランキングでも首位に浮上した。日本勢の岩佐歩夢(ダムス)は7位で今季3度目の入賞。佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は17位となった。

 第2戦フューチャーレース(決勝レース2)のグリッドは、25日に行われた予選結果で決定され、フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)がポールポジションを獲得。2番グリッドにリチャード・フェルシュフォー(トライデント)が、3番グリッドにマーカス・アームストロング(ハイテックGP)が、そして、4番グリッドにラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)が続いた。

 予選で3番手タイムを記録したジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)は、予選後の車検で失格となり、最後尾からのスタートとなっている。これにより、暫定7番手で予選を終えた岩佐は6番グリッドに、暫定7番手で予選を終えた佐藤は13番手からスタートを迎えることとなった。

 なお、フリー走行でクラッシュを喫し、脳震盪と診断され予選出走も叶わなかったジェム・ボリュクバシ(チャロウズ・レーシング・システム)は、決勝レース2への出走もとり止めている。また、決勝レース1でクラッシュを喫したアムーリ・コルデール(ファン・アメルスフォールト・レーシング)は車両修復が困難との判断により欠場となった。

 決勝レース2はスタート時点で気温26度、路面温度36度という決勝レース1よりもわずかに高めのコンディションに。通常のフォーメーションラップ後、スタートがやり直しとなり、1周のエクストラフォーメーションラップを実施したため、決勝レース2は当初の予定から1周減の27周で争われることとなった。

 ポールスタートのドルゴヴィッチがホールショットを守るなか、6番手スタートの岩佐はスタートで出遅れる。しかし、ターン2でのユーリ・ビップス(ハイテックGP)との競り合いを制し、6番手をキープして2周目を迎えた。

2022 FIA F2第2戦ジェッダ 岩佐歩夢(ダムス)

 2周目に5番手スタートのリアム・ローソン(カーリン)がアームストロングを攻略し3番手に浮上する。一方、岩佐はボシュングとの4番手争いを展開。5周目のホームストレートでボシュングをかわし4番手に浮上する。

 そんななか、14番手スタートのユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)がもっとも早い7周目にピットイン。早めにタイヤをソフトからミディアムへと変えて上位進出を狙う作戦に。

 上位勢は皆ソフトタイヤと条件はイーブンとなるなか、首位ドルゴヴィッチはフェルシュフォーを引き離すことができず、1.7秒という僅差の状況で9周目にピットイン。

 フェルシュフォーは続く10周目にピットイン。インラップはその時点でのファステストラップを記録する走りを見せたが、ドルゴヴィッチとのポジションは変わらず。一方、岩佐も10周目にピットインを終えたが、アームストロングの後方のままコース復帰となった。

 岩佐は12周目のホームストレートでダルバラにかわされ、続く13周目のホームストレートではジェイク・ヒューズ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)にDRSを使用され、6番手にポジションを下げることとなった。

 そんななか、決勝レース1終了時点でランキングトップにつけていたローソンが、10周目にピットイン。タイヤ交換の際に左フロントのナットがうまく装着できていないにもかかわらず走りだし、ピットレーン出口のそばでストップ。ピットレーン出口の白線を超越えていたため、チームメカニックによる修復も叶わずリタイアとなった。そんななか、もっとも早くタイヤ交換を済ませたダルバラが19周目にアームストロングを攻略し3番手に浮上する。

 ソフトタイヤでの周回時にはフェルシュフォーとのギャップをなかなか広げることのなかったドルゴヴィッチだが、ミディアムタイヤ装着後はフェルシュフォーとのギャップを着々と広げ、20周目には3秒差に。

2022 FIA F2第2戦ジェッダ 決勝レース2を制したフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)

 ミディアムタイヤスタートのハウガーは22周目にピットイン。ピットロード出口でタイヤスモークを上げるも岩佐の前方でコースに復帰。岩佐はこれで7番手に順位を下げることに。同じくミディアムタイヤスタートのドゥーハンは23周目にピットに入るも、岩佐の後方8番手でのコース復帰となった。

 首位ドルゴヴィッチはファステストラップ争いに加わるペースで周回を続け、フェルシュフォーを近づけず。ファイナルラップで15番手を走行していたフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)がスピンを喫し、コースサイドにマシンを止めるも戦局には大きな影響もなく、ドルゴヴィッチは2.379秒のギャップを守りきり、2年ぶり通算4勝目となる優勝を飾った。また、ローソンのリタイアもありドルゴヴィッチがポイントランキングトップに浮上している。

 2位にフェルシュフォー、3位にダルバラが続いた。岩佐は7位で今季3度目の入賞、通算獲得ポイントは10となりランキング10位に浮上している。佐藤は17位でチェッカーを受け、ランキング16位でジェッダの戦いを終えた。

 2022年シーズンFIA F2、次戦となる第3戦イモラは、4月22〜24日にイタリアのイモラ・サーキット(エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ・インターナショナル・サーキット)で行われる。

2022 FIA F2第2戦ジェッダ 決勝レース2を制したフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)
2022 FIA F2第2戦ジェッダ 佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)

■FIA F2第2戦ジェッダ フューチャーレース(決勝レース2) 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 11 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 27Laps

2 20 R.フェルシュフォー トライデント 2.379

3 2 J.ダルバラ プレマ・レーシング 15.358

4 24 J.ヒューズ ファン・アメルスフォールト・レーシング 19.117

5 7 M.アームストロング ハイテックGP 20.595

6 1 D.ハウガー プレマ・レーシング 21.071

7 17 岩佐歩夢 ダムス 27.108

8 16 R.ニッサニー ダムス 28.428

9 3 J.ドゥーハン ビルトゥジ・レーシング 28.861

10 8 J.ビップス ハイテックGP 32.173

11 22 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム 32.647

12 6 L.サージェント カーリン 37.612

13 21 C.ウィリアムズ トライデント 38.282

14 12 C.ノバラック MPモータースポーツ 42.370

15 15 R.ボシュング カンポス・レーシング 47.601

16 14 O.コルドウェル カンポス・レーシング 48.706

17 4 佐藤万璃音 ビルトゥジ・レーシング 50.384

18 9 F.ベスティ ARTグランプリ 1Lap

– 5 L.ローソン カーリン DNF

– 10 T.プルシェール ARTグランプリ DNF

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