観光需要掘り起こしへ 諫早周遊モニターツアー 西九州新幹線開業まで半年切る

日本酒の試飲を楽しむ参加者=諫早市、杵の川

 開業まで半年を切った西九州新幹線を生かして観光需要を掘り起こそうと、沿線の長崎県諫早市はこのほど、周遊モデルコースのモニターツアーを実施。記者も同行した。
 市が8日、新幹線開業後の着地型旅行商品の開発を促すため開催。旅行会社などの関係者約10人がJR諫早駅発着のバスで巡った。
 立ち寄り先は、市内を一望する白木峰町のコスモス花宇宙館をはじめ、諫早湾干拓堤防道路、市内初の「道の駅」として開発が予定されている飯盛町の農産物直売所「フレッシュ251」など。昼食は小長井町でブランドカキ「華漣」を生食し、土師野尾町の酒造会社「杵の川」では試飲や買い物を楽しんだ。
 車内ではバスガイドが見どころや歴史を分かりやすく紹介。初めて訪れる人にとっては、こうした諫早駅を起点に気軽に参加できる周遊ツアーがあれば、満足度アップや再訪につながる可能性もあると感じた。バスの高い車窓からのんびり眺めると、普段は目に留まらない小川の水がきれいなことに気付いた。地元市民も新たな視点で魅力を発見でき、十分に楽しめそう。
 市政策振興部の中村雅参事監は「さまざまな諫早の楽しみ方を提案する商品を作ってもらえれば」と期待。参加した阪急交通社の松尾生美(ふゆみ)さんは「これまで諫早は通過するのみだった。諫早と島原をメインにしたコースも商品として成り立つのでは」と話した。

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