見頃の桜、車窓から優雅に満喫 秦野の3事業者が「お花見タクシー」

秦野市内のタクシー事業者が始めた「お花見タクシー」。停車可能な場所では見頃を迎えた桜を間近に見ることもできる=秦野市寺山

 秦野市内で営業する法人タクシー3事業者は今春、市内の桜の名所を時間制料金で周遊する初の事業「お花見タクシー」を始めた。市内は早咲き、遅咲きを含め約1万2千本の桜が植えられている「サクラのまち」だが、広く点在していて電車やバスで訪れるには不便な場所もある。事業者は「桜の名所と道を知り尽くしたドライバーが案内する。車窓から春の秦野を優雅に満喫してほしい」とアピールしている。

 企画した市観光振興課によると、市内では例年2月上旬ごろに開花する早咲きの河津桜や春めき桜を皮切りにソメイヨシノやヤエザクラなど、4月下旬まで代わる代わる咲き続ける。ただ、名所として知られるスポットも水無川河川敷(同市平沢)、県内最長6.2キロの桜並木「はだの桜みち」(同市西大竹~堀川)などがあるものの点在しており、市内の鉄道駅からのアクセスも不便で、周遊にはあまり向かなかった。

 そこで注目したのがタクシーだ。密を避けてプライベート空間を楽しめるほか、コロナ禍で外出自粛や時短営業が続き、売り上げが落ち込む事業者の支援につなげる側面もある。

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