環境問題、楽しく考えて 対馬振興局・川橋さん 「シーグラス」マップ作成

川橋さんが作成した対馬の「シーグラスマップ」の一部

 長崎県対馬市の海岸に漂着するガラス片「シーグラス」を宝探しのように見つけてもらおうと、県対馬振興局総務課の川橋美里さん(25)がマップを作った。「楽しく環境問題を考えるきっかけになれば」と県のホームページで公開している。
 シーグラスは、捨てられたガラス瓶などのかけらが長い期間にわたって波にもまれて角が取れ、海岸に流れ着いた物。見た目の美しさから「海の宝石」とも呼ばれ、アクセサリーや芸術作品に使われることが多い。川橋さんは初任地の対馬で釣りをしている時に見つけて以来、興味を持った。自宅に持ち帰り、瓶に入れて飾っている。

シーグラスを手にする川橋さん=県対馬振興局

 対馬沿岸にはポリタンクなどのごみが毎年約2万~3万立方メートル漂着するとされる。インスタグラムやフェイスブックで観光地など島の魅力をPRする業務も担う川橋さんは「自然豊かなのに、ごみが景観を損ね、もったいない」と感じていた。
 「シーグラスを拾えば周りのプラごみなどにも目が向き、ごみ問題を考えることにつながる」。昨年4月から、休日に海岸を巡り、地元住民に聞き取るなどして各地のシーグラスの量を自分なりに調査。約1年かけてマップを完成させた。
 対馬を上中下の3エリアに分け、計15海岸を掲載した。現地の写真とともに、見つけやすさを5段階の星マークで表示。気軽に足を運んでもらえるよう、海岸ごとに何色が見つかりやすいかや、夕日など見どころも紹介した。
 他県では海をきれいにするため、シーグラスを地域通貨として活用し、収拾を促す事例もある。川橋さんは「子どもたちが拾ったシーグラスを、お菓子と交換できるような仕組みがあれば面白いのでは」と活用に期待した。


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