県保健衛生事業団は4月、自治医大などと連携し、遺伝子異常で生じる2種類の病気を早期に診断する新生児向けの新たな検査を始める。生後間もない赤ちゃんの血液を採取して行う検査で、歩行が困難となり、死亡する恐れのある難病も含まれる。早期に見つけ薬を投与すれば歩けるようになる確率が上がるなど、治療の可能性を高めることが期待されている。
同事業団は赤ちゃんの生まれつきの病気を調べる「先天性代謝異常等検査」を県から受託している。生まれつき持つ代謝やホルモンの異常を早期に発見、治療し、病気による障害の発症を予防する。生後数日の新生児のかかとから微量の血液を採取し、20種類の疾患を公費で調べている。
新たな検査は県の事業とは別に研究事業として実施する。対象は「脊髄性筋萎縮症」と「免疫不全症」。