爆心地周辺を3Dで再現 長崎大レクナ 被爆前後をデジタルマップに

爆心地から半径1キロの建物などを3Dで再現したデジタルマップ(奥)を説明するレクナの担当者ら=長崎市平野町、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)は30日、被爆前の長崎の写真を募集しデジタル教材などにする新事業(3カ年)について、本年度の成果を報告した。米軍が撮影した被爆前後の航空写真を活用した地図の上に、募集した写真の一部を加えたデジタルマップの作製を進めている。爆心地から半径1キロの範囲にある建物などを3Dで再現し、8月にウェブ上での一般公開を目指している。
 地図には原爆投下前の1945年8月7日と、投下後の同年9月7日の写真を使用。それぞれ複数を正確につなぎ合わせた。範囲は長崎市中心部のほぼ全域。一般公開までに約3千棟を3D化する予定。新年度からは広島版も作製する。
 写真は昨年7月から募集しており、今年2月末までに県内外の17人から6千枚超が寄せられた。ほとんどが家族写真。収集した写真は一部を世代や地域などに分類し、7月の一般公開を目指している。
 吉田文彦センター長はロシアのウクライナ侵攻により「核兵器使用のリスクが非常に懸念されている」と指摘した上で「被爆地で起きた核兵器使用の現場を改めて見つめ直すことが大切」と話した。


© 株式会社長崎新聞社