「良い戦争などない 戦争は悪」 被爆者の八木さん 長崎―福島でオンライン講話

「良い戦争などない」とロシアの軍事侵攻を非難する八木さん=長崎市、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 東日本大震災・原子力災害伝承館(福島県双葉町)で長崎市が開催した「長崎原爆・平和展」は最終日の21日、同市の被爆者、八木道子さん(83)によるオンライン講話があった。ロシアの軍事侵攻で破壊されたウクライナの街を被爆後の長崎と重ね、「良い戦争などない。人の命を奪う戦争は悪。決して始めてはいけない」と訴えた。
 八木さんは6歳の時に爆心地から3.3キロの自宅で被爆。長崎平和推進協会継承部会で15年前から語り部をしている。
 講話では、焦土と化した爆心地付近の航空写真を示し「犠牲になるのは市民や子どもたち」とロシアの侵攻を非難。核兵器使用を示唆するプーチン大統領の発言にも触れ、原爆の犠牲となった「黒焦げの少年」の写真を紹介し「人間らしく死ぬこともできない。これが核兵器がもたらしたもの」と核廃絶を訴えた。
 同展は5日から被爆の惨状を伝える写真パネルなどを展示。現地で講話を予定していたが、16日に震度6強の地震が発生。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(長崎市平野町)と結ぶオンライン形式に切り替えた。


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