ろうの両親から生まれた、耳の聴こえる子どもたち コーダの揺らぎと成長追う 「私だけ聴こえる」公開決定

耳の聴こえないろうの両親から生まれた、耳の聴こえるコーダの子どもたちを追ったドキュメンタリー映画「私だけ聴こえる」が、4月1日より劇場公開されることが決まった。

コーダ(CODA:Children Of Deaf Adults)とは、耳の聴こえないろうの両親から生まれた、耳の聴こえる子どもたちのこと。家では手話で、外では口話で話す彼らは、学校に行けば“障害者の子”扱いをされ、ろうからは「耳が聞こえるから」と距離を置かれる。本作は、コーダという言葉が生まれたアメリカで、コーダ・コミュニティを取材した初めての長編ドキュメンタリー。15歳というアイデンティティ形成期のコーダの子どもたちの3年間を追う。

ありのままの自分を解放し無邪気な子供に戻れる、1年に1度の“CODAサマーキャンプ”を終えたコーダの子どもたち。「私はろうになりたい」という深い欲望に突き動かされて聴力に異変をきたすナイラ、自分を育ててくれたろうの母から離れて大学に行こうと葛藤するジェシカ、コーダである自分の人生を手話で物語ることで肯定し友達を作ろうとするMJ、さらに日本とアメリカを行き来し手話通訳士をするアシュリーは妊娠し、「おなかの子がろうになるか聞こえる子になるか」という悩みを抱えながら出産に向かう。

監督は“社会の周縁に生きる人々の知られざる物語”をテーマに、映像作品を制作してきた松井至。本作は2016年のTokyoDocsにて最優秀企画賞を受賞。その後取材を続け、2021年に北米最大のドキュメンタリー映画祭HotDocsに選出されるなど、世界各国で上映をされてきた

【作品情報】
私だけ聴こえる
2022年5月28日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
配給:太秦
©TEMJIN / RITORNELLO FILMS

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