「黒い雨」被爆者認定の新基準運用 広島

「黒い雨」の被害者救済をめぐり、1日から新たな認定基準の運用が始まりました。

被爆者手帳を受け取った人の思いは…

斉藤修吾さん(87)は10歳の頃、現在の安芸太田町加計で「黒い雨」に遭ったとされています。

斉藤修吾さん「(原爆投下後)紙切れがいっぱい降ってきました。キラキラしながら。兄から聞いた話で母親が家の前で雨に遭ったと」

斉藤さんは自身の記憶には残っていないものの自宅周辺で「雨が降った」という証言があり、3年前に心筋梗塞、今年に入って白内障を発症しました。

国は、広島高裁が原告全員を被爆者と認めた判決を受けて、雨に遭った人に被爆者手帳を交付するための新たな審査基準を4月1日から運用します。

新たな基準は雨に遭ったことが否定できず、がんや白内障など11種類の病気にかかっている場合被爆者と認めます。

斉藤修吾さん「感謝しております。(原爆の被害を)直接受けたわけではなく、遠く離れたところで受けたわけですから。(新基準適用で)申請する人には希望が湧いてきているのではないか」

広島市と県にはこれまでに2100件を超える申請書が届いていて、審査を終えた人から随時被爆者手帳を交付するということです。

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