長崎を元気に 県立高でアイデアコン 最優秀に中五島、諫早農業、島原翔南

諫早農業高の発表動画の画面

 若者の発想を生かして地域を活性-。長崎県教委は県立高校の生徒を対象に「長崎を元気にするアイデアコンテスト」を初開催。最優秀賞に中五島高(新上五島町)、諫早農業高(諫早市)、島原翔南高(南島原市)の3校が選ばれた。
 自分たちの暮らす地域の課題を知り、探究活動を深化させることなどが目的。20校が参加し、各校は国連の持続可能な開発目標(SDGs)と関連するテーマを選び、7分以内の動画で発表した。
 中五島高は「循環型社会・高校生不動産」と題し、島内で増える空き家の活用を検討。町役場職員や家主らと意見交換しながら、室内を紹介する動画制作や家主の思いを伝える看板設置などを提案した。

中五島高の発表動画の画面

 諫早農業高は「一石二鳥の放置竹林活用プラン」。竹に含まれる「成長阻害物質」に着目し、農業への活用を研究した。竹を粉末状にし、バレイショ畑に散布。雑草成育や病気の抑制が確認され、実用化につながった。
 島原翔南高はふるさと納税の返礼品として、特産のそうめんを使った菓子開発の経過を発表。地元企業と試行錯誤を重ね、クッキーを商品化し、返礼品に採用された。規格外のそうめんを活用することで食品ロス削減にもつなげた。

島原翔南高の発表動画の画面

 審査は3月に実施。県教委高校教育課が▽長崎らしさ▽持続可能性▽新規性-などの6項目で評価し、20本の中から5本を選出。県内全ての県立高1、2年生と教員によるネット投票を呼び掛け、最優秀賞3校、優秀賞2校を選んだ。
 同課担当者は「生徒たちにとって他校の取り組みも知ることができたことも大きい」とし、2022年度も継続する予定。同課ホームページ上の「ながさき未来デザイン高校生SDGs推進事業」の項目に20本の動画のURLを公表している。


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