昨夏の東京五輪王者が、五輪後初の実戦で強さを印象づけた。男子81キロ級の永瀬(旭化成)が貫禄勝ちで世界選手権切符を獲得。五輪代表を争った藤原(同)を決勝で鮮やかに投げた28歳は「やっぱり81は永瀬が強いと言ってもらえるように戦った」と誇った。
劣勢から起死回生の一本勝ちを奪った。決勝は延長にもつれ、さらに相手より先に二つ目の指導を受ける展開に。それでも「粘り強くやれば、必ずチャンスは来る」と攻め急がなかった。徐々に圧力をかけ、相手が後退した一瞬の隙を見逃さずに大外刈りを決めた。
東京五輪で日本人がずっと勝てなかった81キロ級の金メダルを5大会ぶりにつかんだ。自国開催の重圧に打ち勝った達成感は大きく、直後は進退を明言せず休養。ただ、周囲や地元・長崎に優勝の報告をする中で聞こえてきたのは、2024年パリ五輪への期待の声だった。「こんなに応援してもらってるんだな」。自らをもう一度奮い立たせ、五輪1カ月後には稽古を再開していた。
金メダルが自信になり「以前よりも冷静に、試合中も分析しながらできるようになった」と自らの成熟を実感している。藤原や佐々木(ALSOK)ら若いライバルも多いが、視線の先にあるのは「パリでの2連覇。それのみ」ときっぱり。自らに高い目標を課し、まずは10月の世界選手権に向かう。
永瀬が男子81キロ級V 世界選手権切符を獲得
- Published
- 2022/04/04 11:45 (JST)
- Updated
- 2022/04/04 12:21 (JST)
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