古巣復帰のプホルスが目指すもの 通算成績ではなく3つ目のリング

11年ぶりのカージナルス復帰を果たし、今季が現役ラストイヤーとなることを明言したアルバート・プホルス。以前は通算700本塁打などのマイルストーン到達に意欲を見せていたが、ヤディアー・モリーナ、アダム・ウェインライトと再びチームメイトとして戦えることになり、「あの2人がここに残っていて、僕がキャリアを終えるときに一緒にいられるのは特別なことだ。もう1度タイトルに挑戦したい」と自身3度目のワールドシリーズ制覇を最大の目標に掲げている。今季の目標は個人成績ではなく、3つ目の優勝リングを手にすることだ。

歴代5位の679本塁打、同3位の2150打点、同4位の1367長打と6042塁打など、メジャーリーグの歴史に残る圧倒的な実績を残しているプホルス。史上4人目の通算700本塁打まであと21本、ハンク・アーロンの通算最多打点記録更新まであと148打点に迫っているが、彼が目指す数字は「700」ではなく「3」、つまり2006年と2011年に次ぐ自身3度目のワールドシリーズ制覇である。「僕にとっては今季を楽しむこと、そしてチームの勝利に貢献することだけが目標だ」とプホルスは言う。「もし700本塁打を達成できれば特別なことだけれど、それを追い求めようとは思わない。チームの勝利に貢献することだけに全力を尽くす」と断言した。

ここ数年のパフォーマンスや今季予想される出場機会を考えると、21本塁打や148打点といった数字は現実的ではなく、プホルスの頭はすでに切り替わっているのかもしれない。「あの2人と一緒に3度目の優勝ができれば完璧だ」と話しているように、カージナルス復帰を選択した時点で、数々の個人的なマイルストーンは目標から除外され、目標は3度目のワールドシリーズ制覇に定められた。そのためならプラトーン要員であれ、代打要員であれ、与えられた役割をなんでも全力でこなしていくつもりだ。

セントルイスで過ごしたキャリア最初の11年間で数々の伝説を作ったプホルス。11年ぶりの古巣復帰を果たし、モリーナ、ウェインライトとともに過ごす現役最後のシーズンを迎えた。自らのキャリアを最高の形で締めくくることはできるだろうか。

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