トンネル事故防止へ残り距離表示の投影装置 16日開通の新東名、伊勢原大山ー新秦野間を公開

新東名高速道路上り線羽根トンネル内。上部には出口までの距離が表示される。左奥は非常駐車帯に設置された排煙設備=秦野市内

 新東名高速道路の伊勢原大山インターチェンジ(IC、神奈川県伊勢原市上粕屋)-新秦野IC(秦野市菖蒲)間の開通を16日に控え、中日本高速道路は4日、同区間を報道陣に公開した。トンネル内の漫然運転防止に向けた投影装置や、照明を低位置にあるガードレールに取り付けることで環境保護を図るなど、新たな取り組みも見られた。

 約13キロの開通区間は山間部を貫くため、約6割がトンネル内となる。高取山トンネル(約4キロ)と羽根トンネル(約3キロ)は距離が長く漫然運転の懸念があり、中間付近には出口までの距離をプロジェクションマッピングで表示する。

 さらに、従来は路面の上方に位置する排煙設備を非常駐車帯の上方に設置することで、設備点検の際に車線規制や通行止めを回避できるようにした。

 高速道路と交差する河川にホタルが生息していることから、環境にも配慮。照明は従来の高い位置ではなく、低位置にあるガードレールや欄干などに設置し、夜の照明が川面に漏れないよう工夫している。

 同社秦野工事事務所の伊原泰之所長は「秦野までの開通でも、観光振興や産業振興に大きな効果がある。地域の活性化に期待したい」と話している。

 同社によると、同区間は16日午後3時に開通。自動料金収受システム(ETC)専用の秦野丹沢スマートICも同時に供用開始する。

© 株式会社神奈川新聞社