フィリピン出身で上越市とよばの「悠久の里」(関原礼敏施設長)に勤務する渡部アナマリカギワさん(46)がこのほど、国家資格の介護福祉士に合格した。
漢字や専門用語に苦労しながら7度目の挑戦で成就した。「これから介護に携わる外国出身者に学んだことを伝え、応援できたら」と意欲を見せる。
渡部さんは平成20年、結婚を機に上越市南城町へ移住。上越国際交流協会(JOIN)などを通じて日本語を勉強しながら、介護分野へ飛び込んだ。「慣れない環境に帰りたいこともあったが、大勢の友だちに助けられ、さみしくなかった」と当時を振り返る。
同24年、派遣社員として悠久の里に勤務。より良い業務遂行、頑張りが報われる立場になりたいとの思いから介護福祉士の勉強を始めた。英語やタガログ語が母国語の渡部さんにとって、一番の難関は漢字。外国人へ向けたボランティアによるオンライン授業などを活用し、この高い壁へ挑んだ。正社員登用やシフト調整など、職場の後押しもあって年々点数は上昇。今年1月の試験で合格を勝ち取った。
笑顔で誰とでも接する渡部さんの評判は上々。同施設1Fフロアチーフの杉田規弘さん(38)によると、入居者に英語を教えるなど、強みを生かしたコミュニケーションが魅力という。
渡部さんは「周囲の応援や手伝いがなければ合格できなかった。これで終わりではなくさらに勉強し、『ありがとう』と言ってもらえるよう仕事を続けたい」と話していた。