「第6波収まり切れず増加傾向」長崎大学病院・泉川教授 感染再拡大に警戒感

「下がり切れないまま増加の傾向にある」と感染再拡大に懸念を示す泉川教授=長崎市坂本1丁目、長崎大学病院

 長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は7日会見し、新型コロナウイルスの感染状況について「(流行第6波が)収まり切れていない状況で増加傾向に転じている」と再拡大に強い警戒感を示した。
 県内で新型コロナ感染が確認されて約2年。約3万6千人が感染し、117人が死亡。このうち1月以降の感染者は全体の8割を超える約3万人に達し、死者も44人に上る。
 こうした状況に泉川教授は「(オミクロン株は)病原性が弱いとはいえ、母数(感染者数)が増えると入院する人が増え、亡くなる方も必然的に増えるというのが実感だ」と話し、感染者数を減らす必要性を強調した。
 まん延防止等重点措置解除後の状況について「3月20日ごろまでは減少傾向だったが、その後上がってきた。高齢者も含まれている」と懸念。要因は年度替わりで人の動きが活発化する時期に従来のオミクロン株より感染力が強い派生型の「BA・2」への置き換わりが進み、さらに若年層への3回目ワクチン接種が進んでいないことを挙げた。
 第7波についての認識を聞かれると、「波という意味では今の状況は第6波の一部、続きと考えていいのではないか」とし、「火種が消えず、また燃え盛りそうという感じ。来週はどうなっているのかと危惧している」と話した。
 年度替わりで飲食の機会が増加している状況に「行政の注意事項に沿った協力を」と要請。県は対策のポイントに▽会食は1テーブル4人以内とするなど密にならない工夫▽第三者認証店の利用▽会食時を含め会話をする際のマスク着用徹底-などを挙げている。


© 株式会社長崎新聞社