バスケットボール女子Wリーグのプレーオフ(PO)は9日、東京・代々木第二体育館で2戦先勝の準決勝第1戦が行われる。レギュラーシーズン5位の富士通は1位のENEOSと対戦。古巣との対決となる宮沢(金沢総合高出身)は「すごく楽しみにしていた。全員で勝ちにいきたい」と、15年ぶりの頂点を目指すチームをけん引する。
POの舞台で背番号52が躍動している。日立ハイテクとの1回戦で両チーム最多27得点をマークすると、連戦となった準々決勝では勝負どころで3点シュートを沈め、2季連続のベスト4に導いた。ENEOSのエース渡嘉敷は「富士通は乗っている。宮沢選手の3ポイントも私が止める」と警戒を強める。
宮沢は東京五輪準々決勝のベルギー戦で21得点を奪うなど、史上初の銀メダル獲得に貢献。昨季終了後に9年間在籍したENEOSを離れ、地元の神奈川に戻ってきた。ただ、戦術理解に時間がかかった上にコンディションも上がらず、1試合平均9.5得点と万全とは言い難かった。
それでも、POでは歴戦の勝負強さを発揮。28歳のシューターは「富士通のバスケに慣れてきたし、自分自身を信じた。準決勝で、もうワンギア上げられるように気持ちを高めている」と強調した。
ENEOS時代はPOのMVPに輝くなど、手にしたタイトルは十指に余る。高校の2学年上の先輩篠崎と再び日本一を目指したかったのも、移籍した理由の一つだ。
「簡単に優勝とは言えないけど、いろんなチャレンジをするためにこのチームを選んだ」。大舞台での経験とプライドを懸け、6年ぶりの決勝に導いてみせる。