中学軟式の弱小チームを全国制覇に導いた監督が実践した練習法
少年野球を始めたばかりで直面する壁の1つがグラブの扱い方。手が小さく、腕力も弱い子どもにとってグラブでボールを捕るのは難しい。中学校の軟式野球チームを全国優勝に導き、現在は東海大静岡翔洋高校の女子硬式野球部を率いている弓桁義雄監督がすすめるのは、スリッパを使ったキャッチボール。捕球のコツをつかめるだけでなく、ボールを握り替える送球までの動きも身に付き守備力アップにつながる。
【動画】捕球から送球まで一連の動きが身に付くスリッパを使ったキャッチボール
準備するのはスリッパとボールだけ。広いスペースも必要ない。硬いボールの使用が禁止されている場所であれば、柔らかいゴムボールで代用できる。静岡市にある東海大静岡翔洋高校・女子硬式野球部の弓桁義雄監督がすすめる守備上達の練習法は、グラブの代わりにスリッパを手にはめるキャッチボールだ。
弓桁監督は以前、東海大静岡翔洋中学で軟式野球部の監督をしていた。就任した当初は「弱小で大敗続きだった」というチームを全国大会の常連に育て、全国制覇も成し遂げている。当時、チームづくりで最優先したのが守備力の強化。失点を減らすために取り入れた練習の1つが、このキャッチボールだった。
「グラブを縦に動かす使い方、手首を返す動きを覚えるのに適しています。手首を返して、送球する方の手に素早くボールを握り替える感覚が身に付きます。捕球も柔らかくなります」
捕球から送球まで無駄のない一連の動きが身につく
キャッチボールで相手の送球を捕る時は、捕球面（手のひら）をボールに向ける。スリッパはグラブより軽いので、まだ力が弱い子どもでも捕球面をボールに向けやすい。また、スリッパは柔らかいため、ボールを包み込むようにキャッチし、グラブの芯と言われる一番深い部分にボールを収める感覚が磨かれる。
芯で捕る意識を持ちながら、スリッパで捕球したと同時に手首を返し、送球する方の手にボールを握り替える。捕球から送球まで無駄のない一連の動きは小学校高学年や中学生にも不可欠。弓桁監督は「軽くて形は細長く面が平らなスリッパは、正確に捕って素早く投げる動きを覚えられます」と話す。ある程度のスペースがあれば、3人、4人で三角形や四角形をつくってキャッチボールすると、真正面だけでなく横や斜めに送球する動きも入るので、より実践に近い練習となる。
【動画】捕球から送球まで一連の動きが身に付くスリッパを使ったキャッチボール
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（間淳 / Jun Aida）
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