ストーカー被害最少、DVも減 「犯罪行為」の認識浸透か 栃木県警まとめ

県内ストーカー認知件数と摘発件数

 栃木県警が2021年の1年間に認知したストーカー被害は前年比33件減の184件で、00年のストーカー規制法施行以降、最少となったことが9日までに、県警のまとめで分かった。ドメスティックバイオレンス(DV)被害も59件減の662件で、過去10年間で最少だった。県警は、ストーカーやDVが犯罪行為だとの認識が浸透したほか、積極的な摘発で未然抑止につながったとみている。

 県警によると、県内のストーカー被害は同法施行後の01年に統計を取り始め、ピークは02年の584件だった。その後、減少傾向が続き、21年の過去5年は200件台で推移していた。

 類型別にみると「つきまとい・押しかけ等」が95件で最多。次いで「無言電話等」が59件、「面会・交際等の要求」が51件だった。

 逮捕などの摘発件数は6件減の32件で、警告件数は40件減の157件だった。17年に事前の警告の有無を問わず、罰則のある禁止命令を出せるように法改正されて以降、禁止命令違反を含む摘発件数は高水準で推移している。担当者は「恋愛感情が絡むストーカーは事案が深刻化しているかが分かりにくい」として注意を呼び掛ける。

 DVの認知件数は過去10年では14年の904件が最多。近年は700~800件台で推移し、21年は662件に減少した。摘発件数は18件増の127件だった。女性の加害者は17年は12人だったが、21年には49人と4倍に増加した。報道などで加害者に男女の区別はないという認識が広まっているとみられる。

 被害届を受理せずに事件化するケースは3件増の17件だった。DVは配偶者が摘発されることに伴う生活の崩壊を恐れて、被害者が事件化を望まないケースもあるという。県警は「被害者の意向を尊重しつつも身の安全が第一」として積極的に摘発していく考えだ。

県内DV認知件数と摘発件数

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