“売り上げは途上国へ” 中古教科書で国際協力を 長崎大学生グループ 15日まで

中古教科書を半額で販売する「STUDY FOR TWO」長崎大支部のメンバー=長崎大文教キャンパス

 大学生が新しい授業の履修を始める4月。長崎大文教キャンパス(長崎市文教町)の一角で、学生グループが中古の教科書を半額で販売している。経済的に厳しい学生を支援するとともに、売り上げを途上国の教育に役立てる一石二鳥を目指す活動だ。
 大学生らの全国組織、一般社団法人「STUDY FOR TWO」の長崎大支部のメンバー。「教科書半額で買って国際協力しませんか」という看板を立てて机をしつらえ、上級生や卒業生から無償で入手した教科書を並べる。
 「入門刑事訴訟法」「情報基礎」「基礎数学」「環境と社会」…。表紙に授業名や担当教員を記した付せんを添える。旧版の本には「授業で使えます。先生に確認済み」と書き加える。在庫はデータベース化し、「この本ありますか」という問い合わせにも応じる。
 「奨学金を受給したりアルバイトでお金を稼がなければならなかったりする学生にとっては、教科書はできるだけ安い方がいい」と、メンバーの1人、教育学部4年の甲斐小雪さん(22)は語る。ここでは、3740円の英語テキストが1870円で買える。
 一昨年と昨年はコロナ禍のため交流サイト(SNS)を通しての販売にとどめ、昨年の売り上げは2万2千円だった。今年は3年ぶりに売り場を設け、4~15日の販売期間に売り上げ4万円という目標を立てている。
 売り上げは同法人を通して奨学金提供や学校建設などの教育支援を行う国際NGOに寄付する。「大学生と途上国の子どもたちの、両方の力になりたい。多くの人を巻き込んで支援の輪を広げたい」と同支部代表の環境科学部3年、吉村優花さん(20)は話している。
 同法人のホームページによると、県内では他に、同大片淵支部と県立大シーボルト校支部があり、同様の活動に取り組んでいる。


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