選挙モード本格化 参院選投票まで3カ月 各党幹部が来崎、市民にアピール

(写真左から)県党会議であいさつする安江氏=諫早市、長田みのり会館、小川氏(右)と青空対話集会に臨む白川氏=長崎市、鉄橋、河野氏(左)とアーケードを歩く山本氏=長崎市浜町

 7月10日の投票が有力視される参院選まで3カ月を切った。長崎選挙区(改選数1)には自民、立憲民主、共産の新人3人が立候補を予定。ここ数日は各党幹部が東京から応援に入るなど選挙モードが本格化した。
 8日、自民公認で壱岐市区選出の県議、山本啓介氏(46)は、党広報本部長の河野太郎氏と長崎市中心部のアーケードを練り歩いた。昨年秋まで新型コロナウイルスワクチン担当閣僚を務めて知名度の高い河野氏が、若者からスマートフォンで記念撮影を求められる場面も。その隣で身長187センチの山本氏は腰を折り、市民と目線の高さを合わせながら笑顔で名刺を配った。街頭演説では「県内の各地域にはそれぞれ独自の可能性がある。地方(の声)と中央をつなげることに重心を置きたい」と訴えた。
 今期限りの引退を表明した党現職、金子原二郎農相の後任候補に決まったのは約3週間前。県連幹事長という要職にあるとはいえ「島出身だから知名度はない。厳しい戦いになる」と自認する。現在は職域支部や支援企業などへのあいさつ回り、推薦状集めを進めている。
 立民公認で党県連副代表の白川鮎美氏(42)は10日、長崎市内であった県連定期大会に出席。会場入りする来賓の労働団体幹部らを笑顔で出迎えた。折しもこの日は76年前、日本で初めて女性が参政権を行使した日。壇上でこれを強調した上で、女性の政治参画が進んでいないと指摘し「さまざまな課題に女性の視点が重要。性別、世代、人種も超えて皆さんのお役に立ちたい」と語った。
 今月は離島の壱岐、対馬も回った。大会終了直後には、党政調会長の小川淳也氏と同市中心部の鉄橋で「青空対話集会」を開催。参加者から消費税率を下げてほしいなど切実な声を聞き、手帳に書き留めた。注目される共産との野党候補一本化について、県連幹事長の赤木幸仁氏は報道陣に「党本部からは各地の事情で判断するようにと言われている。まずは戦える体制をしっかりつくる」と述べた。
 共産公認で党県委員会女性部長の安江綾子氏(45)は10日、諫早市であった県党会議に出席した。ウクライナ情勢を背景に日本でも軍拡や改憲を求める声が上がっていることを批判しながら「参院選は戦争か平和かが懸かった選挙。県民の期待の声に応える活動を皆さんと一緒に最後までやり抜きたい」と訴えた。昨秋の衆院選長崎1区に出馬し落選したことから「今度こそ国会へと駆け上がるために全力を尽くす」とあいさつすると、会場からは拍手が送られた。


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