「農福連携」の逸品紹介 ネット販売サイト開設 長崎県社会就労センター協議会

インターネット販売サイト「セルプながさきオンラインショップ」の画面

 長崎県内50の障害者就労支援施設・事業所でつくる県社会就労センター協議会(竹内一会長)が、インターネット販売サイト「セルプながさきオンラインショップ」を開設した。新型コロナ禍で販売機会の縮小や受注減に陥る中、「農福連携」のこだわりの逸品を知ってもらい、施設利用者の収入確保につなげる狙い。
 セルプは英語の「セルフヘルプ(自助)」からの造語。同協議会は、障害者が農業分野での活動を通じ社会参画する農福連携を進めるため、県の委託を受け、施設で生産された農産物や加工品を中心とした販売会を2017年度から年1回開いている。
 しかし、20年度以降、新型コロナ禍で販売会は中止に。観光客数が落ち込み、イベントが軒並みなくなったことも各施設の経営を圧迫している。竹内会長の施設でも、長崎ランタンフェスティバルの中止でカステラの大口受注が2年連続で消えるなどした。施設の売り上げから工賃を支払っており、利用者の収入も少なくなっている。
 同協議会は20年度、カタログ販売をしたが注文が伸び悩み、21年度事業でネット販売を計画。販売サイトを3月下旬に開設し、現在は「とりめしの素(もと)」や焼き菓子など36点を扱う。九州内は送料無料。

自家栽培のハーブを使った「ハーブティー・ハーブ塩詰め合わせ」=長崎市現川町、コリアンダーの家

 「コリアンダーの家」(長崎市)はハーブティー・ハーブ塩詰め合わせ(3千円)などを販売。ハーブ塩は自家栽培のハーブをブレンドし、肉や魚料理の味付けに最適という。運営する社会福祉法人「萌友会」の馬場隆幸理事長は「販売会は新規開拓の機会で、2年間できないのは痛かった。高品質で魅力ある商品をそろえ、より良いサイトにしなければ」と顧客目線での情報発信を期待する。
 竹内会長は「オーガニックなどそれぞれのこだわりや強みを前面に出し、全国の人にアクセスしてもらえるよう努めたい」と語った。


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