長崎大に新組織「出島特区」 部局横断的に感染症研究 「本学の強み生かす」

新設の「感染症研究出島特区」について「本学の強みを生かしたい」と語る河野学長=長崎大

 長崎大の河野茂学長は14日の定例会見で、新たに設けた組織「感染症研究出島特区」について、「感染症研究を推進するために、人事や予算などで独立性を持っている各部局が、一つの方針の下で部局横断的に取り組む“特区”」と説明した。前年度に完成した感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」を管轄する高度感染症研究センターも、同特区のガバナンスの下で動く。
 同特区は、未知の感染症を含むさまざまな感染症に対応できる研究体制を構築するため、学長の下に設けた。当初の専任教員は2人だが、同センターや熱帯医学研究所、生命医科学域をはじめ、人文社会科学域や総合生産科学域の人材まで、専門に応じて兼務教員として参画する。
 平時は基礎から開発まで一元的に連携して研究する。感染症が世界的に大流行するなど有事の際は、特区長の指揮の下、病原体の分離・同定から創薬まで機動的に取り組むとした。
 河野学長は「本学には熱帯医学研究所や病院などがあるほか、BSL4も整った。感染症研究領域において基礎から臨床まで取り組むことのできる強みを生かしたい」と強調した。


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