【神奈川高校野球】横浜の高山新部長、常勝復活へ全力 筒香と同期、社会人野球も経験 「一年一年が勝負」

ヘッドコーチから昇格した横浜の高山新部長=横浜高長浜グラウンド

 春夏5度の全国優勝を誇る高校野球の名門、横浜の新部長に高山大輝ヘッドコーチ(30)が今春就任した。これまで5年間、グラウンドで選手の指導に当たり、不祥事で苦しんだ時期も最前線に立って硬式野球部を守ってきた。「一年一年が勝負」と村田浩明監督(35)とタッグを組み、復権へ力を注いでいく。

 神奈川県春季大会2回戦が行われた9日、高山部長は公式戦で初めてベンチ入り。七回コールドで初戦突破を果たすと「選手たちはいい意味でも悪い意味でも公式戦で変わっちゃう。ベンチに入らないと分からない経験」と胸をなで下ろした。

 高校時代は筒香(米大リーグ・パイレーツ)の同期。創価大を経て社会人野球の航空自衛隊千歳でプレーし、2017年春、母校のコーチに就任した。

 これまでの肩書は高校の事務職員。大学時代に教員免許を取得していなかったため、19年春から帝京平成大の通信制に通い始めた。だが、同年9月、部員への不適切な暴言、暴力で前監督らが解任された。

 監督代行を託された高山氏は「次の(監督)候補を見つけるまで、校長から『横浜高校の灯を消さないでくれ』と言われた。とにかくその一点だった」。不安な思いを抱く選手に寄り添い、再建の道を築いた。

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