備長炭 後継者育てよう 美郷に「指導者の会」発足

後継者育成に向け結成した「備長炭製炭指導者の会」の課員

 「美郷町備長炭製炭技術保存会」(上杉貴敬(あつひろ)会長、28世帯)の有志は、後継者育成を目的に「備長炭製炭指導者の会」を結成した。就業希望者の受け入れや見学会の実施などに取り組む。
 同保存会は技術の継承やブランド力を高めようと、県の文化財指定を目指し2014年に設立。昨年、県の無形民俗文化財の指定を受けた。一方で製炭者は高齢化に伴い減少し、稼働していない窯は増加。製炭者数は10年後に3分の2に減るとの見方もあり、危機感を持った同保存会の6人が指導者の会を結成した。
 指導者の会は美郷町と連携し、新規就業希望者の研修受け入れや、使っていない窯の仲介などを行う。製炭の見学会や体験会の開催、製炭業に関する情報発信にも取り組む。
 指導者の会によると、同町の備長炭は需要の5~6割程度しか供給できていない。同会は「美郷町の備長炭は県内外で高評価を受けている。技術と文化の継承に向け、製炭に興味がある人を取りこぼさないようにしたい」としている。

© 株式会社宮崎日日新聞社