50日

 少し前に県庁から届いた「○○基本計画・改訂版」の冊子。表紙をめくると「はじめに」と新知事のあいさつがある。もちろん、ここに前任者の写真があったら“大事故”だが▲家で「たかいたかい」とか始めると、自分も自分も、って3人の列ができるんです-地元局の子育て応援番組、短いインタビューに答えてこんなふうに話すのを、これも少し前に目にした▲冊子の顔写真を見て「若い」と改めて感じ、絶賛子育て中の“パパの顔”を見て「やっぱり若い」と感じる。知事選の翌日に「長崎県民がこんな大胆な選択をするなんて」とベテラン記者の一人が率直な驚きを語っていた。「変化を」と望んだ県民の思いが誕生させたとびきり若い知事▲ところで、その思いに応えるのは知事一人の仕事ではないはずだ、とこれも改めて思う。県民の視線は県庁全体にも向けられている。約4千人の職員が意識的に変われば、県庁はおそらく劇的に変わる▲〈目にはさやかに見えねども…〉-季節が違っているのはご勘弁、古文の時間に教わった古今和歌集の名歌の一節を不意に思い出した。なんか県庁変わったね…その兆しは生まれ始めているだろうか▲大石賢吾知事はきょうで就任から50日。「新知事」の「新」の字は、そろそろ本格的に外れる頃かもしれない。(智)

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