新幹線整備へ協力求める 大石知事、佐賀知事と初面会 「意見交換する機会の継続を」

山口知事(左)と面会した大石知事=佐賀県庁

 大石賢吾知事は23日、佐賀県の山口祥義知事と初めて面会した。九州新幹線長崎ルートの整備について「佐賀県を含めた西九州地域が利益を享受するにはどうすれば良いか、コミュニケーションを取りながら模索したい」と述べ、山口知事に協力を求めた。
 同ルートを巡り長崎、佐賀両県知事が対話するのは約2年10カ月ぶり。今年2月に初当選した大石知事が就任あいさつで佐賀県庁を訪れ、約30分にわたり公開で意見を交わした。
 同ルートは半年後の9月23日に長崎-武雄温泉がフル規格で部分開業。だが武雄温泉-新鳥栖は整備方式が決まっておらず、長崎県はフル規格を望むが、佐賀県は「求めていない」との立場を崩していない。
 山口知事はスーパー特急や軌間可変電車(フリーゲージトレイン、FGT)といった導入車両の変遷などを説明した後、「両県は一緒に新幹線に手を挙げてFGTまでは合意していたが、なぜ長崎県は急に国に対してフル規格を求め始めたのか」と指摘。「大石知事が佐賀県と話し合わなければならないと思うことは原点(に立ち返ること)」と述べた。
 大石知事は「費用負担などいろんな課題があることは承知している。ただ新幹線が全国の鉄道ネットワークにつながることで交流人口の拡大などメリットもある」として、西九州地域全体の発展につながるよう知恵を絞る意向を示した。
 終了後、大石知事は記者団に「私から(さまざまな課題について)連携したいと申し出て、山口知事から前向きな回答がありうれしい。(新幹線についても)率直に意見交換をする機会を継続して設けさせてほしい」と述べた。
 山口知事も「今後の連携に向けて信頼(関係構築)の第一歩」と評価。以前は新幹線について「新たな提案」がなければ長崎県知事と面会しないとの姿勢だったが、記者団から対応を変えたのかと問われると「新幹線に限らずさまざまな課題が両県には横たわっている。大石知事とは意見交換をしながら関係を前に進めたい」と述べた。

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