九州高校野球大会 宮崎で23日開幕 波佐見、長崎日大が挑む

(写真右から)テンポ良く試合をつくる波佐見のエース渡辺=諫早市、スポーツパークいさはや第1野球場、主将としてチームを引っ張り、攻撃の中心にもなる長崎日大の河村=兵庫県西宮市、甲子園球場

 第150回九州地区高校野球大会は23~28日、宮崎市のひなたサンマリンスタジアム宮崎などで行われる。推薦枠の選抜出場校と各県代表の計16校が出場。長崎県勢は推薦枠の長崎日大と県大会優勝の波佐見が挑む。1回戦は波佐見が第1日第1試合(23日10時)で日章学園(宮崎)と、長崎日大が第2日第1試合(24日10時)で沖縄水産と対戦する。会場はともに同スタジアム。開幕直前、両校の横顔を紹介する。

■波佐見 高い攻撃力に注目

 県大会は全6試合中5試合が逆転勝ち。2回戦のサヨナラ、決勝の延長十二回のロースコアゲームなど厳しい状況を打開し、大会を通じて成長していった。昨秋の県大会1回戦敗退から飛躍を遂げたチームに、得永監督は「ここから本当の地力をつけていってほしい」とさらなるジャンプアップを期待する。
 攻撃力が高く、各打者がよく振れている。県大会準々決勝以降で打率5割の山田がリードオフマン。機動力がある得永、パンチ力十分の井上と中山を含めた1~4番に特に注目したい。初回の先制が理想だが、川添、坂口、岩﨑陽、溝口ら後続が機能していけば、点を取られても十分に取り返していける。

 カギを握るのは守備。投手陣は県大会決勝で大崎相手に12回1失点と好投した左腕渡辺が存在感を示す。身長165センチと小柄ながらも巧みにボールを動かして、テンポ良く試合をつくる。トーナメントを勝ち上がるには、本格派右腕の片渕、野手兼任の中山、ユーティリティー選手の岩崎樹ら2番手以降の踏ん張りが欠かせない。
 今回を試金石にして、プロ野球西武で活躍する隅田がいた2017年以来の甲子園出場を誓う。初戦で当たる日章学園(宮崎)は得永監督の日体大時代の後輩が率いており、手の内をよく知る相手。主将の岩﨑陽は「いいチームがたくさん。優勝を目指し、その経験をしっかりと夏に生かしていく」と闘志を燃やす。

■長崎日大 一球の重み大事に

 春の甲子園は1回戦敗退。九回に2点差を追いつかれて延長十三回タイブレークで力尽き、相手の近江(滋賀)は準優勝まで駆け上がった。悔しさの残る結果に、主将の河村は「一球の怖さ、重みをあらためて知った。それを思い出しながら一つ一つの練習をやってきた」と強調。その積み重ねを攻守両面で体現し、上位進出をうかがう。

 選抜大会後の約1カ月間でメンバーが複数入れ替わった。主力では捕手豊田と二塁梅﨑、右翼岩野がレギュラーを奪取。豊田はフットワークや送球、梅﨑は守備の安定感や機動力、以前も1桁の背番号を付けた岩野は巧打が評価された。平山監督も「夏に向けて台頭してきた選手がいて、チーム状態として悪くない」とうなずく。
 投手陣は制球力抜群の右腕種村とマウンド度胸がある左腕川副の甲子園登板組に加え、チェンジアップやカットボールがいい成長株の右の廣田が存在感を示せるか。遊撃立川らを中心にバックが堅実に支え、守備からリズムをつかんで持ち前の攻撃へつなげたい。
 打線は近江戦で連続適時二塁打を放った河村と白川のほか、前田凱、平尾、岩野らが得点源。小技がうまい立川の走力、百武の勝負強い一振りなどにも期待がかかる。
 1回戦でぶつかる沖縄水産も打力が特長。河村は「(野球熱が高い)沖縄を制して勢いもある。勝ちたい気持ちが強い方が勝ち上がっていく」と一歩も引かない構えだ。


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