西九州新幹線 博多-長崎5520円 現行特急より460円高 JR、国に申請

西九州新幹線開業前後の料金

 JR九州は27日、西九州新幹線(武雄温泉-長崎、9月23日開業)の特急料金(自由席)を1760円と設定し、国土交通相に認可申請した。認可されれば、博多-長崎は、距離に応じた普通運賃との合計料金が5520円となり、特急かもめを利用する現行より460円高くなる。
 インターネット予約などの割引料金は認可後にJR九州が発表する。
 JR九州は近距離利用の促進を図るため、九州新幹線鹿児島ルートの料金体系に合わせ、隣接駅間の特急料金を870円とする方針。距離50キロ以下は1260円に設定するが、新大村-長崎にも隣接料金を適用する。
 認可後に予定する合計料金は、諫早-長崎が1350円で現行より370円アップ。新大村-長崎は1630円。武雄温泉-長崎は3070円で、距離が短くなる分、現行より480円安い。
 博多-長崎は、武雄温泉のホーム対面で西九州新幹線かもめと在来線特急リレーかもめを乗り換える。乗り継ぐ場合の特急料金は、新幹線と在来線特急の特急料金をそれぞれ1割引きし、現行からの上げ幅を抑える。
 福岡市のJR九州本社で会見した古宮洋二社長は、料金設定について「通勤や通学にも利用しやすいようにする一方、遠距離利用者には(博多-長崎の)30分の時間短縮効果に見合う料金を考えた」と説明。開業後の高速バスなどとの競合については「30分の短縮でどれだけ勝負できるかはまだ分からない。一度新幹線に乗って、快適さや便利さを知っていただければ利用者は増えていくのではないか」と述べた。
 九州新幹線長崎ルート(博多-長崎、143キロ)のうち、西九州新幹線の武雄温泉-長崎はフル規格で整備。博多-長崎の所要時間は最速1時間20分になり、現在の特急より約30分短縮される。佐賀県内の未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式は未定。


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