2021年度 長崎県内倒産45件 負債総額71億800万円 コロナ関連12件

 東京商工リサーチ長崎支店は12日、2021年度の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)を発表した。件数は45件(前年度比10件増)、負債総額は71億800万円(同35億9100万円増)。新型コロナウイルス関連の倒産は12件(小売業、サービス業各3件、建設業、製造業、卸売業各2件)で、前年度より5件増えた。
 倒産件数は前年度より増加したものの、1971年の集計開始以降7番目に少なかった。負債総額は、10億円以上の大型倒産が1件(製造業)発生したため前年度より増えたが、集計開始以降7番目の低水準。
 業種別では小売業とサービス業各12件、農林水産業、建設業各7件、製造業4件と続く。原因別では販売不振が最多の40件で、地域別では長崎市12件、佐世保市9件が多かった。
 同支店は「金融機関が融資先の業況に応じて返済計画の見直しなどで対応し、企業も官公庁などの各支援策を有効に利用したことで件数、負債総額ともに低水準で推移している」と説明した。
 3月の県内倒産状況(負債額1千万円以上)は4件(前年同月比1件増)、負債総額は4億2700万円(同1億8500万円増)。同支店は今後の見通しについて、九州新幹線長崎ルートの部分開業や長崎駅周辺の再開発などの好材料の一方、新型コロナ禍や燃料・原材料高騰、半導体不足、ロシアのウクライナ侵攻の影響などから「経営体力が疲弊している企業を中心に息切れする可能性が高く、倒産や廃業を選択する企業が増える」と予想した。


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