長崎県内の観光船 安全対策を緊急点検 知床の遭難事故受け、運輸局と海保

船を点検する長崎海保の職員ら=長崎市光町の岸壁付近

 北海道・知床沖での観光船遭難事故を受け、九州運輸局長崎運輸支局と長崎海上保安部は27日、長崎市の事業者が運航する観光船の緊急安全点検を行った。
 観光客が増える連休を前に、27日に3事業者、28日は1事業者を対象に実施。27日は、同支局と海保の職員9人が、長崎市光町の岸壁に係留中の観光船に乗り込み、避難経路マップが設置されているかや、船内に救命胴衣を備え付け旅客向けの説明が表示されているかなどを確認した。
 事業者に対し▽事故の予防措置が適切か▽運航中止基準の徹底▽非常時の旅客の脱出手順を乗員が把握しているか-の3点を中心に聞き取った。問題がないと判断されたシーマン商会の山下善治代表取締役は「安全対策は日頃からしている」と強調。知床の事故について「行方不明者が早く見つかって家族の元に戻ってほしい」と話した。
 同日、佐世保市でも同支局佐世保海事事務所と佐世保海上保安部が1事業者の船を点検した。


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