設立10周年で若者人材育成へ 長大レクナ、核兵器廃絶長崎連絡協

 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)と、官学でつくる「核兵器廃絶長崎連絡協議会」は27日、設立10周年記念事業を発表した。平和や核問題に関心がある若者のネットワーク形成を目指す情報ポータルサイトの開設や、「核なき未来」に関するオピニオン募集など人材育成に取り組む。
 レクナは核兵器廃絶に特化したシンクタンクとして2012年に設立。同協議会は県、長崎市、長崎大が同年設立し、レクナの知見を基に人材育成や市民講座などを展開している。
 同協議会が本年度中の開設を目指すポータルサイトは、核・平和問題に特化した活動情報を発信し、ネット上で若い世代をつなぐのが目的。核軍縮関連の仕事に携わる社会人の体験を紹介し、意見交換する機会も設ける。
 同協議会は「ナガサキ・ユース代表団」として、大学生ら延べ87人を核軍縮の国際会議に派遣するなどしてきたが、社会人になって活動が途切れることが課題となっていた。調漸会長は記者会見で「思いを抱く若者が次のステップに行く手伝いをし、(リアルで人や情報が集まる)場が出てくるような流れにつながれば」と期待した。
 レクナのオピニオン募集(長崎新聞社協力)は、若者に小論文などを応募してもらい、人材育成を図る。このほか、核兵器禁止条約の採択に貢献した外交官や芥川賞作家の平野啓一郎氏を講師に招いた特別講演なども計画している。


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