日本代表への影響は?リスク込みの「栄転移籍」に踏み切るかもしれない7名

2021-22シーズンも佳境を迎え、欧州で活躍する日本人選手の移籍報道も出始めている。

ワールドカップイヤーというのは一般的に移籍に大きなリスクが伴うとされる。さらに今回のカタール大会は11月開幕ということで今まで以上に難しい選択になることであろう。

ただ今回は、そんな状況下においても今夏ステップアップするのではないかと伝えられる日本人選手たちをまとめておこう。

守田 英正

所属クラブ:サンタ・クララ(ポルトガル)
移籍先候補:スポルティング(ポルトガル)、シュトゥットガルト(ドイツ)

日本代表の戦術的なキーマンである守田は、リスクの懸念を振り切ってでも今夏ステップアップする可能性が最も高い選手だろう。

サンタ・クララでの2シーズン目を迎えた今季はここまでリーグ戦25試合1ゴール。UEFAカンファレンス・リーグ(UECL)の予選では6試合1ゴールを記録している。

移籍先はポルトガル3強の一角スポルティングが濃厚だ。守田自身も「スポルティングに行けるかどうかは一生に一度のチャンス」と移籍への希望を隠していない。

最近は懲戒処分などの騒動も伝えられたがクラブ側はそれを否定し、移籍に向けて交渉は順調だという。なお移籍金は250万ユーロ(およそ3.5億円)~350万ユーロ(およそ4.87億円)ほどとのこと。

中山 雄太

所属クラブ:PECズウォレ(オランダ)
移籍先候補:トゥウェンテ(オランダ)、ボローニャ、ジェノア(イタリア)

日本代表で長友佑都のバックアッパーとしての地位を確立している中山雄太だが、向上心の塊である彼が現状に満足することはないだろう。

3年目を迎えたPECズウォレでは今季リーグ戦25試合に先発。ただチームは16位に低迷しており、中山とクラブの契約も今年6月に満了を迎えることから新たな挑戦が伝えられる。

有力な候補は同リーグの強豪トゥウェンテ。またイタリアのメディアは、冨安健洋の古巣ボローニャやジェノアが獲得に乗り出していると伝えている。

彼のタイプを考えるとイタリアが最も理想的なように思えるがどうだろうか。

鎌田 大地

所属クラブ:アイントラハト・フランクフルト(ドイツ)
移籍先候補:プレミアリーグのクラブ?

日本代表ではシステム変更の煽りを受け微妙なポジションに置かれている鎌田だが、欧州での評価は高まっている。

特に今季はUEFAヨーロッパリーグ(EL)で10試合4ゴール。準々決勝バルセロナ戦では相手の指揮官チャビから「警戒する選手」に挙げられるなか出色のパフォーマンスを見せ、番狂わせに貢献した。

鎌田とフランクフルトの契約は2023年まで。ただクラブはコロナ禍で財政状況の悪化に苦しんでおり、鎌田に複数クラブからのオファーが届いていることを認めている。

現時点で具体的なクラブ名は出ていないが、過去にはトッテナム、セビージャ、ミランといった名前が挙がっている。

板倉 滉

所属クラブ:シャルケ(ドイツ)
移籍先候補:シャルケ(完全移籍)、マンチェスター・シティ(復帰)、セルティック

冨安健洋(アーセナル)がケガで離脱するなか、日本代表でも存在感を示し始めている板倉。

昨夏加入したシャルケでは『キッカー』選定シーズン前半戦のセンターバック部門(2部)で1位に。先日にはボランチ起用から素晴らしいゴールを決めるなど、非常に高い評価を得ている。

そんな彼は現在、マンチェスター・シティからのローンでシャルケに所属している。そのため今夏の去就が注目されるところだろう。

板倉自身は最近のインタビューで「僕の長期的な目標はブンデスリーガでプレーすること。今季はシャルケでそれ(昇格)を達成したい」と語っており、残留(完全移籍)の可能性が高いかもしれない。

伊東 純也

所属クラブ:ヘンク(ベルギー)
移籍先候補:レヴァークーゼン、フランクフルト(ドイツ)、レアル・ソシエダ(スペイン)、リヨン(フランス)

日本代表の絶対的なエースに上り詰めた伊東純也。もはや彼のいない日本を考えるほうが難しい。

それほどまでに彼を成長させたのがベルギーの地だが、すでにやり尽くした感はあるかもしれない。ヘンクとは2024年6月末まで契約があるものの、自身も「良いオファーがあればNOとは言わない」と語っている。

実際イングランド・プレミアリーグのクラブやスペインのレアル・ソシエダ、フランスのリヨン、最近ではドイツのレヴァークーゼンやフランクフルトなどへの移籍報道が出ている。

ワールドカップを前に今の安定した地位を脅かしてまで移籍するべきかは悩ましいところだが、決まれば大きな話題になるだろう。

奥川 雅也

所属クラブ:アルミニア・ビーレフェルト(ドイツ)
移籍先候補:セルティック(スコットランド)

ドイツ最高峰のブンデスリーガで今季8ゴールを記録している奥川。日本代表への待望論も根強いアタッカーだ。

彼は昨夏オーストリアの名門レッドブル・ザルツブルクからビーレフェルトに完全移籍しての1年目であり、この夏に移籍する可能性が高いかといえばそうではない。

ただチームは現在降格圏内の17位に沈んでおり、2部降格となればあり得なくもないだろう。最近では、日本人が4選手も所属するスコットランドの名門セルティックへの移籍報道も出ている。

この報道は地元メディアの願望的な側面も強いが、この後の展開次第では現実味を帯びることは十分に考えられる。

原 大智

所属クラブ:シント=トロイデン(ベルギー)
移籍先候補:アラベス(復帰)

191cmの万能ストライカーは、今季ローン先のシント=トロイデンで8ゴールを記録した。

特に香川真司のアシストから決めた最後のゴールは素晴らしいトラップからのもの。この長身であれだけのプレーができる選手は欧州でも貴重であり、22歳という年齢からも欲しがるクラブは少なくないだろう。

保有元のアラベスは現在リーガで一部残留を争っているが、もし一部のアラベスに戻れたとしたらそれ自体がステップアップになる。

【写真】日本代表、2022年にピークを迎えていなければならなかった10名

もちろん彼には日本代表へのサプライズ選出の期待もかかっており、より大きなクラブからの話が舞い込めば動く可能性もあるだろう。

© 株式会社ファッションニュース通信社