「横浜の中小には悪い円安」 1ドル130円で商議所会頭

横浜商工会議所の定例会見で円安の影響を説明する上野会頭=横浜市中区

 「横浜の中小企業にとって、どちらかといえば『悪い円安』だ」─。日銀による大規模金融緩和策の継続決定を受け、外国為替市場で20年ぶりに1ドル=131円を付けた28日、横浜商工会議所の上野孝会頭は円安の影響を問われ、そう述べた。

 同日の定例会見で上野会頭は、横浜市内のメーカーなどが経済のグローバル化を背景に生産拠点の海外移転を進めた結果、「円安のメリットを享受しづらくなった」と指摘。本来は恩恵を受けやすい観光業者も、新型コロナウイルス禍で訪日外国人客が激減しており、「厳しい状況だ」と述べた。

 原油や原材料の価格高騰については、市内の飲食店や印刷会社が値上げに踏み切らざるを得なくなったとの具体例を挙げ、「影響が多方面に及んでいる」との認識を示した。実態の把握に向けて、5月に会員企業約5千社を対象にアンケートを実施するという。

 また、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致候補地だった山下ふ頭(同市中区)の再開発構想を巡り、横浜商議所としての意見を取りまとめ、6月に市へ提出する意向を明らかにした。市は同月末まで、企業や市民から再開発のアイデアを募集している。

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