「得な保険」はないけれど「保険の得な入り方」はある?支払い方や控除、お得な使い方

「得な保険は何でしょう?」という質問を受けることがあるのですが、とても答えに困ってしまいます。というのは、「保険には得」はないからです。

えっ?と思ってしまう人もいるかもしれません。毎年出版している保険ランキング本の「いい保険・悪い保険」の監修者だからこそ聞いたのに……と。でも、事実です。

そもそも保険金・給付金を受け取るというのは、何らかの不幸な出来事やトラブルが起こったからにほかならないのです。できることならば、保険金を受け取るような事態が起こらないことが、いちばんいいことなのでしょう。とはいえ、そんな事態になったときに、経済的に助けるのが保険の役割です。

ですから、「得な保険」というのは存在しません。しかし、「得な保険の入り方」というのはあります。今回は、得な保険の入り方についてお話しをしましょう。


保険料のお得な支払い方

生命保険には、保険料の割引というのはありません。保険の営業員でも保険の代理店でも、またはインターネットで契約をしても、同じ保険で同じ設計ならばすべて同じ保険料です。保険料を割り引くのは、法律で禁止をされています。

しかし、お得になる保険料の支払い方があります。それは半年払い、年払いとまとめて支払うと割引があります。

割引率は、保険会社によって異なりますが、年払いですと、3~5%は安くなります。1回の保険料が高くなりますが、可能なら年払いを選ぶといいでしょう。

さらにクレジットカードで支払えば、カードのポイントを付けることができます。還元率のいいクレジットカードで、年払いにするのが、いちばんお得な支払方法でしょう。

年払いでデメリットは?

年払いのデメリットとしては、一度に払う金額が高額になることくらいです。あとは、4月に年払いをして、5月に死んでしまうと、11ヵ月分の保険料は余分だったということになります(それでも、死亡保険金の金額がはかなり大きいでしょう)。途中解約をしても、未経過分の保険料は返還されます。ただし2010年3月以前に契約した保険は、途中解約をすると返還されないので損になりますから注意してください。

ちなみに全額を一括で支払いう保険(一時払いの保険)もありますが、一時払いができる保険商品は、終身保険、個人年金保険名など一部の商品だけです。なお、生命保険料控除は、契約した年度のみが対象になります。

生命保険料控除は手続きをすると税金が戻ってくる

生命保険の保険料を支払うと、一定の金額が所得から控除されます。これが生命保険料控除です。生命保険料控除は、2012年1月1日以前と以降では、少し異なります。2012年1月以降に契約した保険では、生命保険料控除は3種類に分かれています。それぞれ1年間に8万円以上支払うと、4万円の所得税控除を受けられます。

会社員・公務員の方は、10月から12月に勤務先から年末調整の記入を求められると思います。これに記入をして提出すれば大丈夫です。この手続きを忘れると損になりますので、注意してください。

地震保険にも保険料控除がある

ちなみに、火災保険には、保険料控除というのはありませんが、地震保険は保険料控除があります。控除額は保険料が5万円以下の場合、支払った保険料の全額、5万円を超える場合は5万円が控除されます。こちらも年末調整のときに忘れずに記入してください。

さまざまな無料の付帯サービスを使えるので得

生命保険は、何かあった時の保障だけではありません。じつはさまざまな無料のサービスが付いています。

そのサービスは、保険会社によって異なります。代表的なものには、「24時間の電話健康相談サービス」や「セカンドオピニオンサービス」があります。

「24時間の電話健康相談サービス」では、病院が閉まってしまった夜中でも、子どもの具合が悪くなった!ときには対処法を教えてくれたり、子どもが誤飲してしまったときの対処法などを聞くことができます。セカンドオピニオンサービスは、電話で相談をしたり医者を紹介してくれます。

その他、介護相談やメンタルヘルスサービスなど、また人間ドックの紹介などがあります。さらに、映画館やレジャー施設の割引優待サービスなどもあります。一度確認してみてはいかがでしょうか。

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