被爆死の外国人捕虜 追悼記念碑建立1年 長崎で集い 有志が献花、黙とう

黙とうをささげる建立委のメンバー=長崎市

 戦時中、長崎市の「福岡俘虜(ふりょ)収容所第14分所」で原爆の犠牲となった外国人捕虜らを追悼する記念碑が同市に建立されて1年になるのに合わせ、関係者が28日、現地で集いを開いた。
 現在の幸町にあった第14分所は爆心地から約1.7キロに位置。原爆投下当時、オランダや英国などの捕虜約200人が収容されており、うち8人が被爆死したとされる。記念碑は、遺族らが設立した長崎追悼記念碑財団と、長崎の市民有志で発足した建立委員会が昨年5月、長崎原爆資料館入り口前の市有地(平野町)に建てた。
 集いには建立委の5人が出席し、献花。原爆投下時刻の午前11時2分に黙とうをささげた。平野伸人副代表は「捕虜は当時20歳前後で、生存者がほぼいない。生存者なき時代もこの碑が導いてくれるだろう」と語った。
 集いの様子を収めた動画をオランダの遺族らに送る。今年9月、遺族らを招いた正式な完成式を開催する予定。


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