ポテンシャル半端ない!サガン鳥栖が育てた「世界規格」の5名

今季は新たに就任した川井健太監督のもと斬新な戦いを繰り広げているサガン鳥栖。

彼らは地方クラブでありながら2012年の初昇格以来一度も降格していない。これは長期的な視点に立ったクラブ運営と、優秀な育成組織の賜物といえるだろう。

そこで今回は、そんなサガン鳥栖が育てた「世界レベルの選手たち」を紹介しよう。

中野 伸哉

経歴:鳥栖U-15 → 鳥栖U-18 → サガン鳥栖(現在)

サガン鳥栖にU-15から所属する中野は、同クラブが世界に放つ“最新傑作”といえるだろう。

2020年にクラブ記録の16歳でJ1デビューすると、昨年はJリーグ記録となる17歳でJ開幕スタメンに。さらに東京五輪を直前に控えたU-24日本代表にも飛び級で招集されて周囲を驚かせた。

両足を扱え、左右両サイドバックやストッパーでのプレーが可能。対人戦の強さが何よりの武器で、U-24代表の練習でも三笘薫をドリブルで簡単に抜かせない守備を見せた。

鳥栖のユース時代の恩師は「中野は底が知れない。限界がどこにあるか分からない」と語る。今季は川井監督のもとで限られた出場時間となっているがこれからが楽しみだ。

松岡 大起

経歴:鳥栖U-18 → サガン鳥栖 → 清水エスパルス(現在)

パリ五輪世代の中軸として期待されるMFは、サガン鳥栖が輩出した新たな怪物候補だ。

本職は守備的MFだがカバー範囲は広大で、ボールを奪い切る力に優れる。さらにそこから攻撃に転じられる能力も持っており、自身もエンゴロ・カンテやジョルジーニョを好きな選手に挙げる。

2001年生まれで久保建英とは同い年。しかし「絶対に負けたくない」と負けず嫌いを覗かせており、「最終的にはプレミアリーグに行きたい」と野望は大きい。

飛躍を誓い、昨夏鳥栖から清水エスパルスに移籍した。今季はケガで出遅れているが必ずや巻き返してくるだろう。

樋口 雄太

経歴:鳥栖U-18 → 鹿屋体育大学 → サガン鳥栖 → 鹿島アントラーズ(現在)

今季J1リーグでブレイクしている樋口は、佐賀県に生まれ、小学生の頃から鳥栖の下部組織に所属した生粋の鳥栖っ子だ。

鳥栖U-18からトップ昇格はできなかったものの鹿屋体育大学を経てプロとして鳥栖に復帰。それから3シーズン経験を積み、今季鹿島に加入した。

圧倒的な運動量をベースにしたMFだが、鳥栖で昨季「10番」を付けたように攻撃能力も高く、先日のルヴァンカップ・大分トリニータ戦では素晴らしいミドルシュートを突き刺した。

現在25歳。これまでA代表の経験はないがこれから間違いなく争いに加わってくる選手であろう。

田川 亨介

経歴:鳥栖U-18 → サガン鳥栖 → FC東京 → サンタ・クララ(現在)

最近になってポルトガルでゴールを量産するストライカーも、サガン鳥栖のユースが生んだ逸材だ。

2018年夏にレスターからの関心が伝えられた過去が物語るように彼の個人能力の高さは早くから注目を集めており、ユース世代の国際大会では活躍していた。

Jリーグではさほど成績を残せなかった。ただ彼の場合あまり細かいパスやチーム全体の連動で活きるタイプではなく、戦い方がシンプルな海外の水が合っていたのかもしれない。

それはちょうどJリーグで燻りながらポルトガルで花開いた中島翔哉のようなもの。ワールドカップでのサプライズ選出も夢ではないだろう。

鎌田 大地

経歴:東山高校 → サガン鳥栖 → シント=トロイデン → フランクフルト(現在)

ここまで紹介した選手とは違い、鎌田はサガン鳥栖のユース出身者ではない。しかしクラブが育てた最高傑作には違いないだろう。

中学時代はガンバ大阪ジュニアユースに所属し同期の井手口陽介らとしのぎを削ったが怪我もありユース昇格を果たせず。高校卒業後Jクラブからの正式オファーは鳥栖だけだったという。

しかしその鳥栖ではルーキーイヤーから頭角を現す。自身初めて年代別の日本代表に招集されるなど2シーズン半で急成長し、わずか2年後の夏にはフランクフルトと契約を結び欧州へと渡った。

フランクフルトでの初年度はわずかに3試合出場と苦しんだが、翌シーズン、ローン先のシント=トロイデンで希望しないFWでの起用ながら12ゴールを記録し、ドイツへの復帰を勝ち取る。

復帰後は本来の攻撃的MFのポジションにて高い技術を発揮しており、先日のEL・バルセロナ戦では敵将チャビから「警戒する選手」の一人に挙げられながらも撃破に大きく貢献した。

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日本代表には現在トップ下のポジションがなく鎌田の序列も下がっているが、ここまで活躍すれば無視するのは難しくなるだろう。

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