横浜F・マリノスが障害児向けサッカースクール 子どもたちの挑戦の場に 指導者「入り口であってゴールじゃない」

ミニゲームの組み分けをする子どもたちと斎藤コーチ(左から2番目)=横浜市港北区

 サッカーJ1の横浜F・マリノスで選手育成や社会貢献活動を担う一般社団法人「F・マリノススポーツクラブ」が今春、知的障害や発達障害のある子ども向けに通年のサッカースクールを開講した。障害者支援に力を入れるクラブの長年の活動が発展した形だ。指導者の一人は「スクールは入り口であってゴールじゃない。子どもたちがさらにチャレンジできる土台になれば」と話している。

 横浜市港北区のイオン横浜新吉田店の屋上にあるマリノストリコロールパーク新吉田。小雨舞うフットサルコートに、元気なかけ声が響き渡った。

 4月14日に行われた、知的・発達障害のある児童を対象にした年間通してのスクールの2回目。小学3年から6年の9人が参加し、パスやシュート練習、最後はコーチも交じってのミニゲームに汗を流した。

 障害に合わせた対応も随所にある。とどまって話を聞けるように立ち位置に青いマーカーを置いたり、攻める方向が分かるように色の付いたボードをゴールネットに掲げたり─。障害者スポーツ文化センター横浜ラポール(港北区)の職員も加えた指導陣が、プレーしやすい環境を整えている。

 「視覚で判断できるものを使ったり、曖昧な表現に対しては不安に思う子もいるので、例えば『あと少しで終わるよ』という言葉を『あと1分』と言い換えたりしています」

 そう説くのは、障害者スポーツの指導者資格を持つ、スクールのメインコーチの斎藤幸宏コーチ。「1回目に顔を出してくれた子がまた来てくれているのが何よりです」と、心底うれしそうな笑みを浮かべる。

© 株式会社神奈川新聞社