鎌倉の「シェルター」 ウクライナ避難民受け入れ 北部スラブチチからの夫婦

鎌倉市内に避難してきたウクライナ避難民の夫婦(NPO法人アルペなんみんセンター提供)

 難民申請中の外国人の受け入れを行っている「アルペなんみんセンター」(鎌倉市十二所)が、新たにウクライナ避難民の夫婦を受け入れた。同施設は鎌倉の静かな山あいに建つ国内最大級の「シェルター」。同施設を運営するNPO法人の有川憲治事務局長(59)は「2人が地域での役割を見つけるお手伝いができれば」と話している。

 同施設は、長年難民支援に関わってきた有川さんによって2年前に開設された。元々は、修道院として使われていた建物で、その名称はイエズス会の総長を務め、広島で被ばく者の救援に携わったペドロ・アルペ神父に由来するという。現在はミャンマーやスリランカなど10カ国から逃れてきた13人が身を寄せている。

 ウクライナ避難民の受け入れが持ち上がったのは、今月8日のことだった。市内に住む40代のウクライナ人女性から「両親を何とか日本に呼び寄せたい」とSOSの声が上がった。

 その両親が住む町は、首都キーウ(キエフ)から約200キロ北上した同国北部のスラブチチ。知人のつてやポーランドの日本大使館の尽力で、70代男性と60代女性夫婦は16日に来日できたという。

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